父の三十五日、忌明法要というのが今日あった。いわゆる四十九日というもの。 父が亡くなる以前に、葬式を家でやってほしいと言っていたけれど、母はそれは無理と心の中で思っていて、父の葬儀は父の意を酌まずに葬儀会社に頼んだ。それは私も母に同意していて、後悔はしていない。けれど母は、父の望みを叶えてあげられなかったことを悔やんでいて、この忌明法要は家でやりたい、親戚を家に集めて賑やかにしてやりたいと思っていた。 今日母はそれを実現した。 母が思っていたより、多くの親戚が来てくれた。だから、会食は家の中ではできなくて、近くのお店で部屋を借りた。 その部屋にはちょっとした舞台とカラオケセットがあった。こういうとき、歌います!という人はなかなかいなくて、結局カラオケはほんのちょっとした使われなかった。そして親戚が帰った後、母が「これをやってあげたかった」と言って、父が好きでよく歌っていた歌「無法松の一生」をカラオケで流した。父は歌が上手だった。私もこの歌を父が歌うのを子どもの頃から何度も見たけど、覚えられなくて歌えない。母は歌が得意ではなく、カラオケも全然行かない人。でも、私ら親子だけの場で、母がその歌を気持ちよさそうに?歌っていた。カラオケの字幕とはずれまくって、明らかに音もリズムもずれていて。あまりにひどいので、最後の方で兄が助けに入って一緒に歌ってあげていた。歌い終わった後、母が「この歌がなきゃと思って。これをながしてやりたかった。」と。
今日で母にとって一区切り。今まで喪に服して休んでいた集まりや、新たに申し込んだボウリング講座などに参加する。 お疲れ様。
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