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指輪物語関連ファイル

YUKI


2003年04月08日(火)
 火を使わないのに『ファイアー!』


指輪仲間でアラゴルンが戦闘の時に使った『ファイアー!』という言葉が話題になりました。

☆ 葉山さん

あそこって火薬の無い世界なのに(サルマンの魔術は除く)、弓隊への命令は「ファイアー!」なのね。火薬がなくってもそう言うんですね…って言ったら、みんな「それはおかしい」って言うんです。正しくは「シュート!」じゃなかって。やっぱり火薬が無いときは「ファイアー」って言ってはいけないんですって。
ちなみに日本の戦国時代は、弓も鉄砲も「放て!」でしたから、問題ないんですけどね。
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☆ sigeさん

やっぱ「ファイアー」じゃない言い方があるのね。
私も、なんで鉄砲隊じゃないのにファイアーなんだ??
弓矢に火をつけて放つ方法がもともと基本なのかとか??「一挙に火がつくほど」的な雰囲気かとか考えておりました。
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☆ YUKI

いやしかし甲冑マニアのジョン・ハウがいるんだよ?そのほかのスタッフもものすごくたくさんいるわけだし、そんな基本的なところで間違うはずないと思うけど・・・軍隊用語って耳慣れない。keepとかchargeとか。確かに、ファイアー!ってちょっと違和感だったけどね・・・
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☆ Yusagiさん

4回見てもおかしいと思わなかった私‥。色々抜けてます。
でも、たとえばテニスで He fired 20 aces. とか云うし、慣用句としては火薬を使ってなくてもfireを使っていいんじゃないかなあ。というのは多分現代人の感覚で、所詮は現代人の書いた脚本てことでしょうか。指輪の場合、現実にあった歴史ものではないから、その辺は逃げが可能かも?
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☆ Yusagiさん

アメリカ人とイギリス人の同僚に聞いてみました。二人とも、Fireでおかしくないし、Shootは使わないと思う、とのことです。イギリス人の方は、確かにロジカルに考えると火の気がないのにFireは変だけど、他の言葉が思いつかないし、これまで見た映画のそういう場面では全部Fireだったと思う、と云っていました。(違う例があれば教えたって下さい。)剣を持ってればCharge! だそうですが。火薬が発明される前に何て叫んでたかは知らないからなあ、とも。サンプル数少ないですけどネイティブの意見として一応お知らせまで。
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☆ 葉山さん

ありがとうございました。
Oxford Engilish Dictionary に、Fireは火薬に限定するって書いてあったらしいんだけど。
ロビンフッドのDVDを手に入れたら、じっくり研究して教えてくださいまし。あれには山ほど出てくるだろう(笑)。
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☆ ご隠居

私の持ってるCambridge International Dictionay of Englishには弓を射る時も入ってました。投石するときにも使うみたいです。
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☆ 葉山さん

ありがとうございました。
しかし教授はオックスフォドの方の筈だが…。
投石器は、「Sling」だって。いろいろあるのね。
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☆ yurikoさん

小説の指輪物語の中には「打て!」という台詞はなかったと思います。多分。
でもって、BBCのラジオドラマ、指輪物語の方はきづかなかったのだけど、「ホビット」の方では、エスガロスに竜のスマウグが襲って来たときに、バルドが多分兵隊さんたちに「Shoot!」と言っています。その後にひゅん、ひゅん、と弓矢の音がしています。
いま、たまたま聞いていたら、そう言っていました。
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☆ Yusagiさん

うちのオフィスにあるOED Advanced Learner's Dictionary (95年版)だと、fire の動詞のファーストリファレンスが to shoot with a gun or a bow at sb/sth; to shoot a bullet from a gun or an arrow from a bow となってます。うちのOEDペーパーバックはもっと単純化されて、to shoot with a gun, etc. となってました。使えん〜。
たぶん、その方が見たOEDは一番大きい奴だと思いますが、書いてあること統一してほしいですよね。
現代の用法でto fireを(矢を)放つ意味で使うことは正しいと云っちゃっていいと私は思います。でも、問題は、指輪の世界にそれが適しているかどうかですね。現実の歴史物でもないし、難しいよねえ…。

TTTの脚本のトランスクリプションで問題の箇所を見てみました。アラゴルンが最初にエルフ語で云うHado i philinn! の訳は "Fire!"になってますけども、次の時は、同じ Hado i philinn! Herio! が、"Hurl the arrows! Charge!"になってますな。Fotの冒頭で、エルロンドが同じ号令をエルフ語でかける時の定訳は Fire the arrows! みたいですが。(Hado philinn でぐぐると一番たくさん出て来る。)
あ、このページ面白いよ。
Languages in The Lord of the Rings Movie
http://www.elvish.org/gwaith/movie_news.htm

また、以下のページによると、トールキン至上主義者はむしろ、映画の中の石弓と火矢の使用を問題視しているそうです。両方とも原作には出てこないし、オークの石弓は原始的すぎる、森のエルフが火矢を使うのはおかしいと。また、トールキン自身がエルフの世界と中世とを混同することを注意深く避けていたという記述もあるのですが、論拠は分かりません。
http://www.xenite.org/faqs/lotr_movie/news_0000/173.html
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☆ ご隠居

辞書を引くのに疲れて(そうなんです、まだ文庫読んでないんです)電子辞書を購入したのでインストールされているCollins COBUILDで引いて見ましたがやはり弓を射る表現にも使うとありました。Shootにはもっと意図的に殺したり傷つけたりする時に使う表現みたいです。
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☆ yurikoさん

辞書は、言葉の意味は時間とともに、変わっていくものだから、新しい辞書が出版されるので、言葉の仕事をするなら、辞書は毎年買えと言った先生もいたけれど。
だから、たとえば火薬の武器が実用化されていなかった頃の、「うて!」にこだわる場合は古語辞典でなければいけないのではないでしょうか。映画は、現代語で話されているので、「ファイヤー!」でもよいと、脚本スタッフは考えたのではないでしょうか。
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☆ ご隠居

いつも使ってるサイトでちょっと調べてみたらこんなのが出たのでご参考まで。
www.yourdictionary.com/ahd/f/f0133600.html