このタイトルは、ジョン・ハウの画集「『指輪物語』の世界」の中の 一枚のイラストにつけられた文章のタイトルです。 イラストにタイトルはなく、この本が初出かもしれません。 カバーの裏表紙にも同じイラストが使われています。 アモンヘンの視る椅子のそばにいるフロドは剣をかざし 空中から翼竜に乗ったナズグルが襲いかかっている絵です。 ジョン・ハウの文章をそのまま引用してみます。
物語では描かれていない場面。『指輪物語』第一項には、アモン・ヘンでフロドと魔王が遭遇する場面が書かれていた。後になって削られたが、そうこうしているうちに・・・・。この絵には、しわくちゃになった良心の呵責がつきまとう。本筋からそれたイメージで絵を描くということ、「・・・だったらどうなる?」というパンドラの箱を開けることーは、安直にすべきではない。 捨てられた砦の高台がはるか先までのび、「視る椅子」はその巨大なデザインのほんの一点にすぎない。デザインをする過程で、アモン・ヘンからアモン・ラウへとさまよいでたい気持ちにかられた。実際のところ、相当あらがいがたい誘惑だった。 (ジョン・ハウ 画集「『指輪物語』の世界」135ページ)
いろんな意味でおもしろい文章だと思います。 プロのイラストレーターは、原作に忠実でなければいけないのかしら、 少なくともジョン・ハウのポリシーはかなり生真面目だということ。 それにもかかわらず、書きたいという誘惑に勝てないということ。 描かれたフロドと魔王がとても見事である事。 その絵が、PJの『二つの塔』のオスギリアスの場面を髣髴とさせること。 あの場面を見て、ジョン・ハウはどんなふうに思っているのかな? セットを作るのに彼もかかわったのかな?
PJ自身があのシーンについて語っている文章がはいねさんのHPで紹介されています。
LotR Spoiler News http://www.hiphop.ne.jp/~heine/ 2003/03/08 Sat PJオスギリアスのシーンを語る(CINEFEXの��92)
We adapted that scene from a moment in the novel when Frodo goes into a strange trance and sees the Nazgul Witch King on his way into Mordor. By bringing that into Osgiliath,which is a setting Tolkien refers to be obliquely in his novel, we formed a climax for Frodo with Faramir. So we were mucking around with the book a little there, using Tolkien's material in a slightly different way.
なんとなく通じるものがあると思うのは、私の考えすぎかしら?
|