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指輪物語関連ファイル

YUKI


2002年01月05日(土)
 <映画>『LOTR二つの塔』感想(まとめ)その2


1,2回目の感想を読む

■2003年02月24日(水)<映画>『LOTR二つの塔』(三回目)

『二つの塔』三回目を見てきました。・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・おもしろかったです。

すいません、さんざん悪口言ったあげくですが、すごくおもしろかったです。
今日は三時間があっという間でした。
今日は吹き替えを見るつもりが、時間をまちがえてまた字幕だったんですが
簡単なセリフは字幕から目を離しても聞こえるようになってきたので
画面に集中して見る事ができました。
そしたら、画面のすみずみがきちんと作ってあったんですよ。
空の色、月の形、森の木々の影、エルフの鎧は艶々していてかっこいい。
エオウィンのなびく髪で風の向きが変わるのがわかる。
エントの攻撃の場面では、櫓に乗ったオークが右往左往する様までがきっちりと作られていました。
自分のこだわりから離れて見れば十分おもしろい映画だったんですね。
そしてヘルム峡谷の場面は、決めセリフ、決めのポーズ、緩急のバランス、
みんな計算して配分してあるんですね、まるで日本の時代劇を見るように
パターンどおりに展開する気持ちよさを感じました。
翼竜に乗ったナズグルの動きが、ほれぼれするほどかっこいいです。
それだけでも見ていて幸せ!

TTTのアラゴルンはちょっとギムリにイジワルなんですけれど
よーく見ると、肩をポンと叩いてフォローはしてるのよね。でも、

Gimli: Toss me. (私を投げてくれ)
Aragorn: What? (何だって?)
Gimli: I cannot jump the distance so you have to toss me.
Ehh.. Don’t tell the elf.
(この距離はとべないからあんたは私を投げるんだ。ああ、あのエルフには言うなよ)
Aragorn: Not a word. (一言たりとも言わないさ)


このシーンのヴィゴときたら、アラゴルンじゃなくて素のヴィゴになってて、大好き。
ほんとはこういうヤツなんです。まじめに王様やってるのはさぞ大変でしょう。
号令かけるヴィゴには、思わず「イエスサー!マスターチーフ!!」って言いたくなるわ〜
剣を構えて「とつげき〜!」の場面でも思わず、「死ぬぞ、おい」とつっこんでいました。
・・・近いうちにも一回いきます。いえ、今度はそんなにはまっていません、私。ほんと。

☆最後の戦い
今日三回目を見ながら、「最後の戦い」というセリフを
誰も彼もが口にすることに気がつきました。
なんだろう、これはキーワードかな?とひっかかったのですが、
まだ考えがまとまりません。

■2003年02月27日(水)<映画>『LOTR二つの塔』(四回目)吹替え

今日はレディスデーだというのに、日中は忙しくて映画に行けなかったので
8時半からやってるレイトの吹き替えに行きました。
なんか家族の視線が冷たいんですけれど・・・・
ちゃんとごはんを作って、後片付けもしたでしょ。
いつものことなのになぜ今日はみんな「えー?」とか言うんだ。でも行く。
おねえちゃん、明日は期末だが、今回は自分で全部やんなさい。

さてさて、吹き替え版の方が、わかりやすかったと思う。
今回は字幕も特に問題は無いのに、この差は何だろう。
情報量の多さに加えて、話がスムーズに流れるように
原文を意訳してあるところがけっこうあった。

Faramir: I think at last we understand one another Frodo Baggins.

このセリフは字幕では「やっと我々はお互いに理解し合えた」だったが、
吹き替えでは「やっと君のことが理解できた」になっていたようだ。
(正確な引用ではありませんが)
この文章は原作にもあるが、映画は途中端折ってるのにそのまま使っているので唐突な印象を与える。
この場合字幕の方が忠実で、吹き替えは原文から少し離れている。
でもこの場面では吹き替えの方がしっくりくる。
さて、どっちがいいか?というのは難しい問題だ。

吹き替えのギムリは、「お笑い担当」の前に「愛すべき」がついてるような気がする。
これもセリフを少しいじった結果、イメージが柔らかくなっているようだ。
私はショーンアスティンの声に違和感を持っているので、ラストのセリフは素直に
聞けなかったんだけれど、吹き替えの声だとちゃんと内容が自分の中に入ってきた。
いいセリフだわ。映画のしめくくりとしては、文句なしです。
受けるフロドもわざとらしくなくてよかった。

今日の上映は途中で音声が調子が悪く、サラウンド効果が消えてしまったので
どうしても我慢できなくて、係りの人に文句を言った。そうしたら直った。
でも、私の映画鑑賞はそれで中断されてしまった。これが初見だったら許せないミスだわ。

ヘルム峡谷の戦いは見れば見るほど、日本の時代劇の合戦シーンを下敷きにしているように思える。
エントのシーンはその合戦シーンの緩急の緩の部分なので、ああいう構成になってるんだろうなあ。
それにしても、映画の文法にのっとった戦いのシーンの見事さに比べると
ラブシーンはいかにもとってつけたようで、SWのEP2と並べてもひけをとらないかも・・・・

☆ファラミア像について

原作のファラミアから離れてみると、映画のファラミアもとても魅力的だ。
デヴィッド・ウェンハムのほとんど表情の変わらない演技を不思議に思ったが、
吹き替えでみていて彼が目でいろいろな演技をしていることに気がついた。
いつもはどんな演技をしているんだろう。『ダスト』を見てごらん、
と友達にいわれているんだけれど、彼を見るのはTTTが初めて。
『ムーラン・ルージュ』に出ていたっけ?どれが彼か覚えていない。
押さえて押さえて、それでもほんの少し動く目線でなにかを語っている。
彼は何を語っているのか?何を考えているのか?

映画のファラミアは、初登場のフードの陰からちらりとみえるカットから印象的だ。
優しい物憂げな顔立ちで、冷たく暗いものも同時に表現している。
ショーン演じるボロミアと、いろんな意味で正反対で、しかも同じ血が流れていると
言われても違和感がない。このキャスティングは控え目に言っても素晴らしい!

四回見ても、演出の意図がまだよくわからないのだが、
深い深い意味があったほうが、見るほうとしては楽しい。
ゴンドールの兵士達が、どいつもこいつも人相が悪いのはなぜ?
演出の意図がわかるのはROTKまで待たなければいけないかしら。

■2003年03月01日(水)<映画>『LOTR二つの塔』(五回目)

今日は映画の日でした。
うちの小学五年生に、「SEEを見て予習したら映画に連れて行ってあげる」
と言いましたら昨日ちゃんと全部見たようなので、一緒に行きました。
中一は部活。同居人氏は特撮目当てについてきました。
さすがに三時間は長くて疲れたようですが、「おもしろかった」と言ってくれて母はうれしい。
中学生か高校生くらいになったら、原作を読んで、それから私のコレクションにひたってくれ。
(同人誌は高校生になってからー)

さて小5が言うには、ナズグルはハリポタのアズカバンの看守に
イメージそっくりだそうです。言われてみればなるほど。
これから映画化する方は、PJに影響されないようにするのが大変だ。
反対にPJのシュロブが秘密の部屋をなぞらないようにスケールアップすることを期待。
そして吹き替えのフロドの声って、アナキンの吹き替えと同じですよね?
フロドとゴラムのやりとりを見ていて、うーん、アナキンは向こう側に陥ちちゃったという設定だし
ルーカスもまたPJ映画をしのぐダースベーダーへの道を探らなくちゃいけなくて大変ね。
と思いました。もちろん、全ての根っこにトールキンの指輪があるわけですけれど。

他の映画のからみでいうと、鉄の足ダインさんのTTT感想に、
エントは下手すると「にこにこぷん」の樫の木おじさん、ディズニーの短編アニメ「花と木」、
というコメントがあるのですが、火の付いたエントが水の中に頭をつっこむカットを見て、
そういえば「花と木」にそういうシーンがあったかもしれない・・・と思いました。
うちのお子様ビデオのどこかに入っていて、昔何度も見たんだけれど、記憶はあやしい。
ディズニーの短編アニメって好きでした。アメリカナイズされてはいるけれど、
「小さなおうち」とか「ロンドン橋」の話とか、もとの話のエッセンスを上手に伝える佳作が多いです。
PJやスタッフはそれを見て育ってきたに違いない。
黒澤の映画や「宮本武蔵」の映画もそうですけれど、他の映画へのオマージュが
いろいろなところにあるのかも。誰かそういうのの解説してくれないかしらん。

☆映画にひたる
今日は最初から映画にひたって見ることができました。
同じ映画をこんなに何回も見るのは前作『旅の仲間』が初めて。
そして今度の『二つの塔』も同じように楽しんでいます。
この楽しみ方は、昔、好きな漫画をくり返し読んでいた感覚に近い。
中学生や高校生の頃、何回も何回も読んだ本がたくさんありました。
それができる作品とできない作品はどう違うのか・・・というのは口で言うのは難しい。
作品の世界や、お話の流れに身を任せる感覚は
同じようにひたった人にしかわからないかもしれません。
そうやってひたりながらも、頭の隅っこの冷静な部分はいろいろ考えてはいるんです。
前後のつじつまが合わない部分。流れにそぐわない部分。
ごくまれに、そういう部分を用意周到に補正しつくした作品があったりすると
手放しでほめちぎることができて、熱狂的なファンになったりするんでしょうね。
PJの『ロードオブザリング』は、かなりいいところまで来ているみたい。
でも最後の『王の帰還』でたくさんの人が納得できる大団円を迎えることができるかどうか
最終的な判断はそれを見てから。

それでも今日もとても楽しく三時間を過ごす事ができました。
何回も同じことを書いていますが、背景の自然がすばらしい。
CGで多少いじってあるにしても、それを割り引いても自然の景観にほれぼれしてしまいます。
でてくる俳優達も、これまでの出演作、今演じている指輪の役、これから演じる役(笑)を
もっと知りたくなるような魅力を備えています。
場所と人がこんなに素晴らしいのはほとんど奇跡のようです。
CGクリーチャーは最初の頃、全然目に入らなかったんですが、
回を重ねて見るにしたがって、CGの物足らない部分よりも、よくこれだけ作ったなあという部分が
見えてきました。今日はバルログの落下シーンの手足の動かし方と翼にみとれてました。
翼に乗ったナズグルの目線から見たオスギリアスの廃墟も大好き。
アラン・リーとジョン・ハウはどんなに夢中で絵を描きセットを作った事でしょう。
そして、オークやウルクハイの一人一人にも個性があり、きちんとした甲冑をつけている。
多少のマイナスポイントはチャラになるくらい、好きな映画になりそうです。