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真・「家族連れをターゲット」で地域に根 川崎の地道な努力 - 2007年03月13日(火)

http://www.asahi.com/sports/column/TKY200703130150.html


川崎の本拠地、等々力陸上競技場内の通路を歩くと、たくさんの
子供たちを目にする。

ピッチでの緊張感が漂う熱い戦いとは裏腹な、どこかのどかな雰囲気。

チームカラーである水色の綿あめを持った子が、足早に駆け抜けていく
姿がまるで縁日のようだ。

違うのは、屋台のおじさんの呼び込みの代わりに、いつまでそのハッピ
着てるんだ!
というオッサンの「シューチュー」という掛け声だ。




一方、競技場の外に目を向けると、そこには夏場、生臭い匂いがうっすら
漂う釣堀と、名前はフリーマーケットだが、実態はどう考えても泥棒市
しか見えない光景が広がっている。




昨年リーグ2位の好成績に加えて、中村憲や我那覇がオシム・ジャパン入り。

一気に「全国区」の選手が増えて、サポーターからもチームの活況ぶりが
伝わってくる。


しかし、中村憲剛は憲吾と書き間違え、我那覇はガナハと誤魔化すサポーター
が殆どだ。


05年にJ1に返り咲き、すぐ翌年には何故か優勝争いと、チームの戸惑い
サポーターに伝播しても不思議ではない。しかしクラブ側は、成績にかかわらず
家族連れをターゲットにした観客動員に力を注いできた、ということにしている。





Jリーグの観戦者調査(06年)によると、来場者で、同伴者が「家族」と
答えた人は、新潟の66.1%に次いで65.1%。

観戦の動機に、「レジャーとして」「友人・家族に誘われたから」との理由を
挙げた人の比率はJリーグ31チームの中でそれぞれ1位、2位の多さだった。


子供を連れる親の世代とみられる30代、40代を合わせた観戦者の比率も
トップと、家族連れの来場が多いことを伺わせる。

だが、明らかにJリーグチームの場合、”家族”が「ファミリー」なのに対し、
川崎側は

 「スタジアムでニンテンドーDSにハマるガキ」

 「スーパーの帰りにタダ券が当たったのでそのまま来てしまったヤンママ」

 「中村俊輔が見たいので観に行ったが、間違えてしまったサッカー音痴父さん」

という”家族”が垣間見える。




開幕戦のキックオフの前に競技場内に設置されたうどん屋をのぞいてみた。
そこでの熱気は、試合そのものをはるかに超えたものだ。

当日は長蛇の列だったが、私が少しでも列に加わろうとすると、並んでいる
誰もが自分の順番をほぼ「マンツーマンでマーク」し「守りも堅い」


これで2回目の利用だという34歳の男性は

 「これぐらいしかマトモに喰えるもんないんだから、しょうがないだろ」。

その会話をしている最中に、ダッシュで走るガキが私にぶつかる。謝りも
せずに逃げる早業は見事だった。




川崎は他にも、明らかにもらった側が困惑する「あんたが大賞」、アウェイと
してやってきたサポーターに嘲笑される「ケンタッキーおじさん」、歩いて
武蔵小杉駅に帰ろうとすると、何故かたどり着いてしまう「新丸子駅」など、
様々な罠を用意し、サポーターを混乱させてきた。




家族連れをターゲットにした戦略は、「00年シーズン後、J2に落ちて集客に
悩んだときに考えた」とスタッフは言う。


「首都圏は娯楽が多い。しかし恋人同士で行く場所は多いが、家族単位で行ける
 場所は限られている。

 明らかに等々力は恋人には不向きだから、もうヤケクソで家族、しかも横浜
 には絶対居ない感じな貧乏臭い家庭をターゲットにした。だって川崎だし。」




 かつてこの地域を本拠としたプロ野球やサッカーチームが根付かなかったが、
地道な努力で川崎にしっかりと根を張ったように見える。


 「うちはビッグクラブになりえない。

  てか、スタジアムにガンプラを置いたレアルとかマンU
  あるわけねえだろ!」


05年には、オレンジ色のユニホームを着たチームに勝てないと「果糖(かとう)! 
オレンジ」、昨年は強豪との連戦を「修羅場3(スリー)」と銘打つなど集客方法
は、失笑と言う名のユニークさで、親しまれている。





今年は一体何をしてくれるのか。
リーグや棚ボタACLでの成績とは別に、楽しみにしている。

ラブ☆川崎!

(おが)






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