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■ 合宿
ゼミの合宿で、富士のふもとまで行って来たのに、 お土産ひとつ買ってこなかった。 だって、これっぽっちもまわりで遊んだりしなかったんだもん。 バスが2時間に1本しかないような、あんなところまで行って、 卒論中間発表して、コンパで呑んで、 部屋に入ってきた蛾に大騒ぎして、 夜中にベビースターのカップ麺を食べて、(信州そばだった) ほんのちょっと寝た。 なんちゅーインドアな合宿。(笑)
コンパでの話題の中心は、やはり就職の話だった。 見え隠れする、見栄やプライドや優越感や軽蔑の眼差し。
けっきょく留年を決めた男子が何人か出たらしい。 大手旅行代理店を蹴っての就職留年もいる。 マスコミ志望だったので、もう一度夢を追いかけるわけ。 私からすれば、あまりに思い切った選択に思えたけれど、 彼は1年後なにをしてるのだろうな。
超大手10社の内定を取り、9社を辞退した女の子は、 まだ決まっていない男の子たちから それで9人が泣いたんだぞ、と冗談めかして言われていた。 ほんとうは冗談なんかじゃないんだろうけど。 悔しい思いは、それぞれ抱えている。 でも、会社が欲しがったのは面接からなにからそつのないその子自身であって、 ひとりでの9つの重複内定は、9人の採用には化けないのだ。
ま、そんなふうに責められたところで痛くも痒くもないところが、 彼女が彼女たる強さなんだけど。 むしろ、羨ましがられたり妬まれたりすることをパワー&快感に変えられる人だから。
どーでもいい合宿メモのあとは、 もうちょっとマジメな話。
ゼミの仲間に、 父親が大手銀行の海外勤務でむこうで過ごした人が何人かいるんだけど、 今回行方のわかっていない方のなかに、 父親の同僚もしくは知り合いがかなりいたとのこと。
そのうちのひとり(前述のきわめて有能な女の子)は、 そのために禁酒までしていて、 許せないし復讐すべきだと考えていて、 なんだか、その熱さにたじろいだ。
私にとって、アメリカという国のナショナリズムの強さは むしろ脅威だ。 けっして、団結しているからイイ国だなんて思えない。 国旗が売れまくる、軍への入隊志願者が増え続ける、 そういうのって怖いものでしかない。
確かに人間がやらかした殺人の規模としては、 大きすぎて、それこそ戦争に近いのかもしれないとは思うけれど。 復讐のためならなんでもやるし、 罪のない人が更に大勢死んでもかまわないというのは、 けっして共感できることじゃない。
それに。 みんながショックだというあの映像も、 ある意味実感のないものだったりする。 それを見ながらだって、ごはんが食べられる。 そりゃあ酷いとは思うけど、 それよりも私は軍が動いて、 より多くの人が死ぬことのほうが、怖いよ。 だってそれは、死にに行くんだよ? 殺しに行くんだ。 明らかに、死なずにすむはずの人を 正義っていう名前の似ても焼いても喰えないものが 新たに殺すんだ。 「血で血を洗え」ってよく言うけど、 血を血で洗っても、綺麗になんてならない。 綺麗になるのは、全員が死んで、誰も殺す人がいなくなっったときだけ。
こんなふうに冷めている自分は、 想像力が欠如してるのかな。 冷たいのかな。
でも。 「限りない正義」なんて言葉 手放しで支持できるもんか。 たったひとつの正義なんて、 そもそもあるわけないのに。
なし崩し的に、 ぜったいに変わっちゃいけないと思ってた戦争放棄の誓いが、 どこかに行ってしまいそうな気がする。
けっきょくひとりひとりが考えることをやめたなら あっけないほど平和は簡単に破られるってことだろうか。 なんて脆い。 平和「である」んじゃなくて、平和に「する」ことが必要なのね。 うむむ。
2001年09月21日(金)
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