unsteady diary
riko



 避けていたい

父が明るいうちに帰ってきて、思わず母と顔を見合わせる。
聞こえない程度にため息を。
役所から家まで2時間かかるはずで、何時に出てきたんだか。

父親がリビングへ近付いてくると、
なんの文句のネタがあったか、といつも考えてしまうクセがついてる。
今日もそう。
どこかの電気を消し忘れたか、
父の布団をなにかしたか、とか思いつく限りのことを考えて、
今日はなにを文句言われるか、と待ってると。

「食事しに行かないか?それともまたあーだこーだ詮索されるから嫌だと言うか?」

「…遠慮します」

で、終わった。

怒ったことの本質はそれではないんだけど…。
結論。
一昨日の私のヒステリーは、
どうやらちっとも理解されてはいない。
まあ、理解されるはずがないんだから、いまさら動揺なんてしない。


機嫌取りのために同意して、
適当に酒の相手をしていれば、それで数日は平和に過ごせただろう。
それがたぶん賢い方法。
むこうも、妥協案として持ち出してきてるのは、よくわかる。
だから乗ってあげるのが大人だろうと思う。
実際、気持ちに余裕のあるときや、
断ったらそれこそ荒れるとわかっているときは、付き合う。

それでもなんでも、
今は嫌だったし、
私は、あの議論の蒸し返しをするつもりはない。

いつだったか、旅行先で、大学のことについて同じように父親の考え方にキレた私は、もう2度と同じ話はするまいと決めた。
違う価値観を抱いてる、それはもうどうにも手がつけられない事実だったから。
今回の就職話も、同じ枠に入れることにした。

もともと、理解されなくていいと思ってたから、黙ってたことなんだ。
だから、とにかく酷い言葉をぶつけないでくれれば
なにを思っていようが、自由は自由。
この話は避けたいだけ。
それがお互いの為だと思う。


2001年06月18日(月)
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