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■ ほっとした
5月末、とても気まずい思いで電話を切った友人から 再度、電話が来た。 たぶん内定の知らせだろうと期待しつつも、 このあいだ傷つけ泣かせてしまったことが気にかかっていて とにかく相手の言葉を待った。
思ったとおり、就活終了の知らせ。 それも本人も認めるミーハー心(笑)を満足させる、財閥系の生保だ。 それでも、外資のほうがいいなーと呟くので、 「ふつうはそっちのほうがいいと思うぞ。(実際メジャーだもん)」 そう言ったら、ほんのり嬉しそうに声を弾ませてた。 こういう単純さが、かわいいなーと思う。 おめでとう、Sちゃん。
さあ遊ぶぞ、と気合を入れてる。
念願の内定。 終了。 そのことを手放しに喜び、溌剌としている彼女が、 なんだか、うらやましくなってしまった。 彼女は華やかなOLさんになりたかった人なので、 それは彼女の希望通りであるわけなので。
私はその日、さいごの出版社の面接を落ちたばかりで、 もっとやれたはずのアレヤコレやを思うと、少しだけブルーだった。 だが、それを話すと「ぜーたくだよ」と言われてしまった。 うーん、でもなあ。 (ちなみに、傷ついたわけじゃない)
自分がいちばんわかっている。 ここまで残れたことが、それなりに意味のあることだったということ。 自分が踏み越えた道の途中で、 もっとずっと前にチャンスを喪っていた人もいたわけで。 わたしが自主的に放棄した権利を 咽喉から手が出るほど欲しかった人もいたわけで。
そういうことを、冷静に自覚していても。 やっぱりそれなりに私にも進みたい野望があったのだ。
一方で、ほっとしている自分もいた。 やっと終わった、という気がした。
これで終わり。 別に石にしがみついてでもやり通すほど、 私の天職じゃないってことは、 もとより、火を見るより明らかだった。 それでも一度は試してみたかった。 そして、実際、試すチャンスを与えられ、 まったく対策もしてなかった作文や筆記も、すんなり認められ、 それなりに人数を絞られたなかに入りながら、 けっきょくは、文字だけしかダメな私を再確認した。 マスコミほどコミュニケーション能力を見るところはない。 向き不向きは、最後まで変えられなかった。 最後まで私は、相手を振り向かせることができなかった。
恋愛と同じだなあ。
さて。 ハンコを捺しに行かなくちゃ。
2001年06月09日(土)
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