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■ 嘘の代償?
2日連続で面接。 むやみに張り付く笑顔。 ポリシーなさげな表情だなあって思うけれど、 無理矢理テンションを上げることに少しずつ慣れ始めている自分がいる。 そうしなくてはやっていけない。
昨日、二つ面接を掛け持ちしたときのこと。
業界トップの企業のほうが、セミナーで一般職の女性が原稿をつっかえながら棒読みしてるし、パンフレットのつくりも解りにくいし、なんでも屋っていうだけで企業としての特色はないしで、私は最初からトップ企業だという以外の魅力は感じられず、だから「なぜ当社なんですか?」という質問に詰まってしまった。 (想定していた質問だったのに、嘘が巧くつけなかった) しかも、面接官が総合職とは思えないやる気のなさげな(よく言えば自然体なんだろうよ……)感じの女性で、私の積極性だけが宙に浮いているようで、居心地悪いったら。 だってさ、人事評価制度のことについて質問したら、 仕事目標を自己申告するわけだけど、それが憂鬱でしょうがないらしく、やりたい仕事なんて自分で見つけられるわけないじゃん…とぶつぶつ漏らされた。 それが現実だってわかっていても、志望者にたいして言っていいんだろうか。 2:1の集団面接だったのだが、もう1人の学生が慎ましやかで事務に適性のありそうなタイプだったので、比較してよけいに生意気さが目立つ自分を疎まれている雰囲気が端々から伝わってきた。 そうして案の定落ちた。
トップではないもう一方は、てきぱきと熱っぽく話す一般職の先輩との個人面接で、私の話を聞いて、そういう向上心があって粘り強い人にぜひ働いてほしいと言われ、うまくいったんだろうと思ってたらやっぱり通っていた。
どちらも同じ「私」…だ。 これは企業が求めている人材の差というよりも、 面接官が多様な場合、誰に当たるか運次第っていう気もする。 自分の性格に合う面接官だと、それだけでうまくいきやすい。
ところが、うまくいったほうの最終面接を今日受けてきて、かなり凹んだ。
他社状況を厳しくツッコまれて。 「第一志望です」と言わなければ受からない企業で、前からそう言ったほうがいいよ、とアドバイスもされていて、実際第一志望群であることは確かなので、「今のところ第一志望です」というあいまいな答えをしてしまったのだ。 実は提携している外資が最終面接を控えていることを話したので、 「では、もし内定を出したら絶対にそこを蹴りますね?就職活動を止めますね?どうなんですか?はっきり答えてくださいよ」 と強い口調で念を押される。 すごく怖かった。 拘束がすごいと聞いてはいたのだが、思っていた以上だった。 就活を開始してはじめて、「第一志望です」という切り札を、 使ってしまった……。 「群」をつければ嘘ではないが、 それは詭弁に過ぎないわけで。
…自己嫌悪。 しかも思いっきり迷いが伝わったはずだ。
帰宅して、第一志望の内定を早々にもらって今日ピリオドを打った友人も、すでに内定をもらっていたオリックスには 明るく「就活をやめます」と明言していることを知った。 どうやって断るつもりなんだろう、と思いつつ、私だけじゃないと知って、何の意味もないのにほっとしてみたり。 やなヤツ>自分 こういう駆け引きって、ほんと向いてない。 だから恋愛ごとも友情ごとも、ストレートで通用するもの以外は、 うまく行かないから手を出さないんだろう。
救いなんだか悪夢なんだかわからないが、 私はこの面接を失敗したような思い当たりもあるし、 なにより最後に第一志望かどうかを聞かれ、詰まってしまった局面が強烈で、 おそらくダメだと思われる。 したがって嘘の代償を被ることはなさそう。 実際、当日連絡は来なかったし。 なんにせよ、とうとうやってしまったか、という罪悪感は消せない。 内定待って頂いている企業にたいして、連絡もしなくちゃならない。 憂鬱だ。
でも、正直なところ。 「もし内定を出したら就活やめますね?」といわれたとき、 ソレでいいのかなあって思ってしまったのだよね。 確かに名前は大きくて、つぶれることはないだろう。 でも、私はそのために生きてきたのかなあ、私は事務処理が好きなのかなあ、大変なES(出版だけ)を書いた日々はなんだったんだろう、とか、そんな気持ちがよみがえってしまって。 だから。 「やめますね?」って言われた時、ひたすら切なくなってしまった。 そこで求められた一般職の選考に、私らしさが要らなかったからなんだろう。
でも要らないんだよ、私らしさなんて。 文章書けなくても、社会にそんなに興味なくても、個人の強い意見がなくても、積極的に発言することがなくても、疑う姿勢がなくても、とにかく迅速かつ正確な処理のできる事務用兵隊さんが必要なんだからさ。 それでも営業用兵隊よりマシだと思って、私は一般職のほうにシフトしたわけで。 ああもうっ、自分の割り切りの悪さに呆れる。
先日、高校時代の同級生(女性)とばったり会った。 すっかりオトナの女性っていう感じで、見惚れてしまう。 彼女は私服で、必修科目をまだまだ取り残しているらしく(笑) 大学へ行く途中だった。
私は一般職だと話したら、意外そうな顔をされた。 とはいえ、高校時代の私はきわめて大人しかったはずで、わりと優等生だったから一般職のイメージとは違うだけかもしれない。 彼女は60人OG訪問をしたそうだ。 本命の住商のためには一社で7、8人も会ったのに落とされたとかで、 三井物産(総合職)の内定が出るまで、すべて総合職希望で40社ほど落ちまくったと教えてくれた。 面接でのアピールなどを聞くと、なるほど魅力的だと思わされるすばらしくパワフルな女性なのだが、合わない面接ではしょっぱなから落とされることもあったらしい。
そういえば、1月から外資で面接を受けまくっていた友人も、 野村に内定するまで、20社落ちたという。
この計算から行くと、私はつくづく落ちたりない気がしてくる。 活動少なすぎたんだろう。 視野を狭くしないようにと思って、流通やメーカーなど総合職で見に行って、「総合職=営業職→それが向いてない自分」を再認識したはずなのだが。 それでも、諦めないで向いてない総合職であっても厳しい道を行くべきだったんだろうか、という迷いが生じる。 というのは、こうも一般職の選考で要求されることの少なさ、手応えのなさ、決まるまで異様に早すぎることなどを考えていると、無性に叫びたくなるのだ。 基本的にはグループディスカッションもなく、作文もなく、面接回数も少なく、それでいったいなにを見てるのか。 もし、少ないなかでアピールした者勝ちっていうことを求められているなら、 それをできていない私のせいなのだろうけれど…。
やっぱり、安易なほうへ流れすぎたんだろうか。 ああでもやっぱり営業だけは向いてないことは確かなので、 どうあっても総合職を受けるわけにはいかないんだよなあ。
2001年05月25日(金)
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