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母は昔から家で家庭文庫をやっているのですが
某財団の寄付金を頂けることになり その付き添いで贈呈式に参加してきました。 わたしはひたすら黙ってそばで眺めるのみでしたが とても貴重な体験だったので 書いておくことにします。 まず、贈呈式が行われるのは 財団をつくっている企業の本社でありました。 資本主義の象徴ともいうべく 高くそびえ立つビルで 警備員のチェックと名札着用無しでは 中にはいることが出来ません。 ちなみに、この日はイラク戦争開戦日に近いためか 東京駅や都内の他の大きなビルでも かなりチェックが厳しかったです。 贈呈式では他に寄付を受ける人たちが 大勢集まり、主だった人が挨拶をしました。 企業側の男性たちの挨拶は いかにも式典の挨拶らしい 形式的なものでしたが 寄付を受ける代表の方と 来賓(?)でいらっしゃった 松岡享子さんの挨拶は 格式的じゃない代わりに 心で感じたことを 自分の言葉で表現したもので ちょっと感動的でした。 その後ビルの最上階で 小さな立食パーティーがありました。 母は母の憧れの松岡享子さんと かなり嬉しそうに記念写真を撮ってもらっていました。 家庭文庫をする人にとっての松岡享子さんは 宝塚歌劇団員にとっての 大知真央さんや、春日野八千代さん みたいなものなのかな…と当てはめてみるわたし…。 その後、銀座にある子供の本の専門店を訪れました。 これはオプションでしたが殆どの人が参加しました。 この本屋さんは、リニューアルオープン直前で 今日の参加者だけ特別に 入ることが出来るとのことでした。 わたしはこの本屋さんの前を 何度も通ったことがあったのですが なにせこの辺りに来たらまず行くのは 東京宝塚劇場か、デパートしかなかったので まだ一度も入ったことがありませんでした。 そんなに広くはない本屋でしたが 中にあるものは魅力的な本ばかりでまさに小宇宙。 訪れた人全員、時が止まったように そこで本を眺めたり しきりに何かメモしたりして あっという間に時間が過ぎました。 わたしは目下ハマり中の「指輪物語」コーナーで 「フロドの旅」と「中つ国の歌」を見つけ 文庫用に購入してもらいました。 たぶん寄付金の大部分は、 わたしの意見が反映され(?) 「指輪物語」関連の本を購入することに なるのではないかと思っています。 新訳も出ているし、映画の影響でどんどん 新しく出版されているみたいですしね。 「フロドの旅」は「指輪物語」で 旅の仲間たちがたどった行程が かなり綿密な地図になって描かれている本です。 「中つ国の歌」は 「指輪物語」の中で歌われた歌の抜粋です。 たとえばロスロリエンでの ガンダルフを偲ぶ歌とか ゴラム(ゴクリ)の 「わしらの欲しい物は汁気たっぷり さかなだよ」 とかいう歌が載っています。 アラン・リーの挿絵が魅力的です。 それから次に 松岡享子さんが理事長をされている こども図書館に行きました。 これは、もともとは家庭文庫だったものを 財団法人化し、寄付を募って造られた 子供のための図書館です。 エントランスは小さな広間になっており 脇には暖炉の入ったおはなしを読み聞かせるための小部屋 奥には低い書架の並んだ子供のための図書室があります。 また、地下には子供の本に関する研究所や原書 海外で賞を取った本などが貯蔵してある資料室があります。 ちなみにすべて開架図書で、貸出可能だそうです。 母は、小さい頃読んで題名が思い出せない 本の内容を資料室の係の方に聞いていました。 そうしたら、親切にもコンピューターで 題名と内容を見つけ出してくださり 母はかなり感激していたようでした。 ちなみにその本は「わし姫ものがたり」というそうで もう絶版になっているみたいです。 寄付金をいただいたことで うちの文庫にある古い本を一度整理しなければ と、母は考えていたようですが ここの資料室に古い「こどものとも」や 「飛ぶ教室」「こども図書館」などの機関誌が 大切に保管されているのを見て それらを捨てようとしていたのを 思い留まったみたいでした。 こども図書館の蔵書は すべて開架ということでも窺い知れるように 図書館としては非常に少なくい蔵書だそうです。 かなり厳選して購入しているというのもあるけれど なによりも「こどもにはそんなに沢山の本は必要ない」 という理念がこの図書館にはあるからなのです。 松岡さんがおっしゃるには 「本があればあるほど、 こどもがお気に入りの一冊に 出会う機会が少なくなってしまいます。 一年に何百冊の本を読むよりも とっておきの一冊に出会えることの方が 何倍も重要だからです」 ということだそうです。 わたしは、この言葉を聞いたとき ほんとうに涙がでるほど感動し共感しました。 小学生時代読書感想文を書くために その時の新刊をいろいろ読まされたけど どれも1つとして心に残っていません。 幼稚園の頃母親に毎晩のように 読んでもらったお気に入りの絵本や 自分で見つけた古いファンタジーさえあれば 心は充分満たされたし 読まなくなった今も いつでも思い返すことが出来 死ぬまで糧になっていると思います。 こどもの本は 子供の知識のためにあるのではなく 子供の内面の心を開く鍵なのです。 だからその子の心にあう鍵がひとつ見つかれば そこから世界は限りなく広がってゆくのです。 公共図書館に子供用の図書室があるのは 今では当たり前になっているけれど 母の言うには松岡さんという人が 当時の日本の図書館の現状を嘆き 海外で学び、日本で活動を始めて やっと日本でこどもの本の重要性が 認められたのだとか。 こども図書館からの帰り道 わたしは松岡さんや こども図書館の人たちや それから銀座の子供の本屋さんの方たちの 物腰や話しぶりに共通したものがあるのに気づきました。 おっとりと優しそうで、それでいて凛としている それは(最近ご無沙汰してますが)教会の 牧師夫人の雰囲気とそっくりだと思ったのですが 母にそれを言うと 「無私の精神というのが共通しているんじゃない?」 ということでした。なるほど…。 見学ツアーが終わるともう夕方でした。 わたしと母は新宿のホテル目指して帰りました。 実は、その時点でわたしは へとへとに疲れてしまっていました。 なぜなら、その日は朝5時半に起き 気持ちがとても緊張していたのと 持っていた荷物がとても重かった上 上ったり降りたりの移動がかなり困難だったこと そして履いていた靴が華奢で頼りなくて 足にすごい負担がかかってしまっていたからでした。 しかもその後小雨が降って すごく寒くなったばかりか ホテルまで迷いに迷ってしまったため 疲れはどんどん蓄積していきました。 けれど無事ホテルに着くと そこには待ち合わせた妹と伯母がおり 再会を喜んでいるうちに しんどさはあまり気にならなくなりました。 なんといってもその日は 興味深くて楽しいことばかりだったし 今いるホテルもずっと前から 行きたいと密かに思っていた 憧れの場所だったからです。 お洒落な高級ホテルだからではなく わたしにとって重要なのは そこは1月に指輪ご一行が 来日記者会見を行い (おそらく)宿泊した場所 だったからです。 しかし…全員でホテルのレストランで 食事をする段になり いざテーブルに落ち着くと 自分でも思いも寄らない吐き気に襲われて 食欲が沸かないばかりか 話すこともままならなくなってしまいました。 「おっかしいな〜、気持ちは楽しいんだけどな。 せっかくの機会なのにもっとここにいたいのに」 と思って、となりの妹に、気分の盛り上がるような 話題をふって自分から好きな話をしたりしたのですが なんとか食べられると思ったスープ一皿ですら 香りだけでまた吐きそうになり このままでは倒れる…と観念し わたしだけ一人部屋に籠もって寝ることになってしまいました。 なにもかも、お洒落にこだわりすぎて 機能的な靴を履かなかったことが災い と、まわりには言われましたが これ以上のことを、わたしは 昨年の なおちゃんさよなら一連イベントで くぐり抜けてきたはず…なのに一体なぜ…? 意気込みが違ったのだろうか…。 あんな得体の知れない吐き気に 打ちのめされたのは生まれて初めてでした。 とにかく、まだまだ、わたしって体力なさすぎです。 こんなことにならなければ その晩は、ホテルを色々探検し 銀座の、なんとかいうバーで飲んで 最近「王の帰還」を見て泣いたという気の合う伯母に わたしの話を聞いてもらう予定だったのに それらすべてがあっけなく無に帰してしまいました……。 すごく残念です。 わたしはこのホテル デザインが洒落ているし 係の人の対応も親切だし 気に入ったのですが 母と伯母は全体の照明が暗すぎる上 レストランの食事の量が多すぎる上大味 アメリカ人にはいいけど日本人向きじゃない ということであまり気に入らなかったみたいです。 確かに、ロビーなどがとてもこじまりして 通路も暗く、ちょっと隠れ家的雰囲気がありました。 外国人の人とすれ違うと、自分が外国人で ここは外国のホテルなのではないかしら と錯覚するような空間でした。 日本ぽいデザインも所々ありましたが それらも全部外国人受けするように作られているというか…。 でも、それならばきっとイライジャ・ウッドは 楽しく過ごせたんじゃないかな。 バスタブで体を温めて 早めにベッドに入りたっぷり寝たせいか 次の日は比較的元気でした。 でも外は雨で前日より更に寒くなっているようでした。 しかしお昼にはチェック・アウトし 妹の案内で青山に出かけました。 妹はわたしが以前、君島十和子さんの本を 読んでハマっていたのを知って フェリーチェ青山の場所を調べてきてくれてました。 体が本調子じゃないのと天気が悪いのとで そぞろ歩きを楽しむほど余裕はなかったけど やはり行って良かったと思いました。 エポカのお店を覗いていた時 そこの地下で流れていた ミュージカルのような男声の歌が とても印象的でした。 曲がとてもドラマティックで 聞いていてワクワクするんです。 店の人に尋ねてみたところ 「これは、最近出て、たぶん今もCDショップに 売っていると思うんですけれど 俳優さんが歌っている歌なんですよ。 ジョシュ・ハートネットっていう人らしいです。 俳優さんなのに歌も歌うんですって」 という答えでした。 えぇ〜〜〜???ジョシュ・ハートネット〜〜〜〜ぉぉ??? そのつい2日前映画「パラサイト」のDVDを (イライジャ・ウッドを見るために)入手して見たばかりの わたしは驚愕し、歌うジョシュなんて想像できないけど 「家に帰ったらぜひ調べて絶対に購入しなくては!!」 と決意しました。 しかし、家に帰って インターネットのあらゆる検索網 掲示板、ファンサイト、CDショップサイト などを調べても、ジョシュ・ハートネットがCDを出した という情報はどこにもありませんでした…。 あれはなんだったんでしょう。 お店の人は別な俳優と間違えたのでしょうか。 ジョシュ・ハートネットはともかくとして あの曲自体とても素敵だったので ぜひもう一度聴いてみたいのですが…。 というわけで、 これが今現在一番気になっていることです。 |
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