NINJA-TOOLS


「薔薇の封印」
2003年12月07日(日)

「薔薇の封印〜ヴァンパイア・レクイエム」を観てきました。
思った通り、どこかで観たような…
という設定の連続なのが残念でしたが
それでもそれなりになかなか面白かったです。


主役リカちゃん(紫吹)は
永遠の命を持つヴァンパイアで、
各地を放浪して薔薇を探しています。

 薔薇をさがして
 薔薇をさがしています♪
 白薔薇はダイヤモンド
 紫はアメジストです〜

フランシスは花の子ルンルンか…!?(古…)


もとい、フランシスは
中世に迫害された
テンプル騎士団の生き残りでした。
迷い込んだ薔薇の谷で
ヴァンパイア一族の
リディア姫(エミクラちゃん)
と恋に落ち、自らも
ヴァンパイアとなることを決意しますが
姫に横恋慕する修道僧
ミハイル(サエちゃん)が
嫉妬に狂い、ヴァンパイアの悪しき魂を
封印した薔薇の十字架を破壊したため
フランシスはその「薔薇の封印」を
再び取り戻すため、5輪の薔薇を探し
時を彷徨うことになるのです。

封印を解いたミハイルは
邪悪なヴァンパイアと化し
世界に散った5輪の薔薇を集めて
世界征服をたくらみ
フランシスとミハイルは
各時代で対決を繰り返します。

フランシスと恋に落ちた
リディアは、彼をかばい
ミハイルの手によって殺されてしまったため
彼は、リディア以外の女性を
愛することができなくなってしまいました。
しかし、彼が心惹かれる女性は
いつもリディアに面差しが似ているのでした。
それはミハイルもまた同じでした。

果たして、フランシスは
5輪の薔薇を手に入れ
ミハイルの野望を止めることができるのか。
永遠に終わらない時の中で
フランシスは、リディア以上の
女性に巡り会うことができるのか…

―――――というようなお話です。

なにが良かったか。
わたし的な一番の見所は

〜その1
リカちゃん&サエちゃん。
その華麗なる衣装の着こなしっぷり。
素晴らしい。似合ってる似合ってる!
これぞタカラヅカって感じ〜。

リカちゃんは「大海賊」から
専売特許となった(?)
スペシャル・スター・ブーツ
(※膝丈のスター・ブーツより更に長い)
を着用。その類い希に恵まれた体型を
余す所なく見せつけてくれます。
舞台で描かれる4つの時代の中では
ルイ14世(霧矢)の宮廷に
招かれて踊ったときの
ジフシーの衣装と
ヴァンパイアとバレた時の
黒のマントの衣装が
最も素敵だったと思います。

一方、サエちゃんは
最初の出こそ
ジミーな修道僧ルックですが
悪に生まれ変わってからは
突然長髪に甲冑。
絶対王政治下のフランスでは
妖しい錬金術師マダム・ノアールで女装。
黙っていれば盛装の貴婦人ですが
フランシスに悪態をついて
男とバレてしまいます。
その次に出てくるのが
ナチス親衛隊の黒の軍服。
怖いくらい美しい。
サエちゃんは、あんまり男役っぽくないぶん
人間離れした魅力があるので
小池作品にはピッタリな人なのでは。
主役だけでなくサエちゃんも
ヴァンパイアにしたのは
かなりナイスな役振りだったと思います。


〜その2

プログラムを読んでいると分かるのですが
描かれる物事や場所…
テンプル騎士団、薔薇の谷、
ダンス狂いのルイ14世
ナチス親衛隊とベルリンのコンチネンタル・タンゴetc.
すべて現実にモデルがあり
歴史のおもしろさを感じさせ
そこに、現実には存在しないヴァンパイアが
登場するところにロマンがあります。

また、
ダンスに明け暮れたルイ14世の宮廷と
ベルリンのタンゴ・クラブは
ダンサーリカちゃんのために
選ばれた時代設定で
また、時代と時代の挾間に
フランシスが時の流れを渡る場面でも
雰囲気のあるダンスシーンがあり
一本立てのお芝居にしては
かなりふんだんにダンスが
鏤められているのも良かったです。


ただ、その分主人公が
台詞で心の内面を吐露するシーンが
ほとんど無く、フランシスが
抱えていたはずの孤独や迷いの
インパクトがイマイチ薄い気がするのです。

そもそも小池作品では
トート、メフィストフェレスなど
人間でないあやかしの存在は
すでに描き尽くされた感もあり
さらに、不死の命を持つ苦しみといえば
去年木村作品で「不滅の棘」が上映されたばかりなので
目新しさやインパクトを感じることは
最初から困難な状況にあると言えるかもしれません。

観劇する前から
このお話は骨格として
アン・ライスの「ヴァンパイア・クロニクル」
最初の時代は
ジャン・ジャック・アノーの「薔薇の名前」
次の時代は
星組の「カサノヴァ・夢の形見」
&ジェラール・コルビオの「王は踊る」
その次の時代は
星組の「ヴィンター・ガルテン」
&花組「タンゴ・アルゼンチーノ」
現代は
月組の「LUNA」
なのでは、と予想していたのですが
観てからは、さらにそれに
「ポーの一族」「イコンの誘惑」
「ブルー・スワン」が加えられました…。
エドガーをパンパネラにしたのは
領主ガブルエルたちだったのかもしれない…
マダム・ノアールの妖しい術が
やがて教祖ニキータ様へと伝えられてゆくのかしら…
「ヴァンパイア・レクイエム」のミュージカルで
本物のヴァンパイアが現れたとき
青い羽根が刺さる幻が見える…
そんなことを考えさせてしまう(^^;)。

また、エリちゃん(嘉月)が演じた
ドクトル・シュミットは
似ているというのを通り越して
「LUNA」のドクトル・ゲノムと
殆ど同一人物といってよく
いくら当たり役だったとはいえ
芝居達者なエリちゃんだからこそ
二枚煎じになるのがもったいなかったです。

「ポーの一族」については
原作者から設定を借りる許可を
もらっているとのことでしたが
それならばいっそのこと最初から
オリジナルではなく原作付きにして
「ヴァンパイア・クロニクル」
あたりを舞台化したら
よかったのではないかと思います。

勿論、小池作品全般に漂う
カラーは常に魅力的であり
役者や舞台の流れを生かす
演出も、とても鮮やかだと思うのです。
破綻もないし、オリジナルが
いつも二枚煎じっぽいのも
目くじら立てるほどの
ものでもないかもしれません。

(長くなったのでとりあえずここまで)



<<< INDEX / NEXT >>>



Design by : [ m  U ]