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やっぱりすごいぞ「LotR TTT SEE」
2003年12月05日(金)

「ロード・オブ・ザ・リング 2つの塔 DVD
 スペシャル・エクステンディット・エディション」
略して「LotR TTT SEE」を見ました。
普通のDVDとどう違うかというと
全部で4枚あり、
1〜2枚目は映画本編に約45分の
追加映像を加えた特別ヴァージョン
3〜4枚目はキャストやスタッフの
インタビュー映像を交えた
撮影風景やメイキング風景
そしてミニチュアや
風景画などのギャラリーです。

過去の日記を読み返すと分かるけど
わたしは「LotR」の第一作「旅の仲間」
略して「FotR」公開時
「指輪物語」にめっっっちゃくちゃ
ハマっておりました。

まず最初に映画を見て
それからたまたま家にあった旧訳の原作を
一気に読み上げ
完全に頭はタイムトリップ。
その合間にも映画を3回くらい見て
その度に感動して泣き
関連本を買い漁り
ネットサーフィンに明け暮れ
ビデオは日本で発売される前に
英語版を購入し、DVDは2種類購入
挙げ句の果てには
「TTT」公開が日本では年明けと知ると
先に公開されるグァムとか海外に
出かけようかと真剣に考えました。

それにくらべれば
今回の「TTT」は「FotR」ほどは
ハマらなかったです。
DVDも「SEE」1種類しか買う予定はないし…。

「TTT」は興行的には一作目よりも
ヒットしたそうですが
わたし的には「TTT」の世界は
物語の流れ的にどうしても色彩が暗く
闘ったり彷徨ったりするシーンが多いのが
つまらなく思えてしまうのです。

しかし、やっぱり「LotR」の世界は素晴らしいのです。

毎回SEEのDVDには、映画本編に入りきらなかった映像
特に原作を愛する人たちには喜ばれるマニアな映像が
追加されて入っています。

今回の追加映像で特に注目したのは
なんといっても
第一作ラストで戦死したボロミアが
回想シーンで登場する場面でしょう。
ボロミア役のショーン・ビーンは
この回想シーンのため
自分の撮影が終了し
一作目も公開された後
「TTT」公開の追加撮影のために
ニュージーランドまで戻ってきて撮影したのです。
それなのに「TTT」が出来上がってみると
そのボロミアのシーンはすべてカットでした(泣)。

〜ボロミアとは

 ボロミアは、「指輪物語」の舞台・中つ国にある
 人間の王国・ゴンドールを治める執政の長男。
 かつてゴンドールを治めた王がいなくなって以来
 ゴンドールは「いつか王が戻られるときまで」
 執政の治める国となった。  

 強大な力を封じ込めた「1つの指輪」を
 敵の手に渡る前に、破壊するため
 「旅の仲間」が結成されたとき
 ボロミアは人間を代表して
 その仲間に加わった。    

 けれど内心では彼は
 出来ることならその指輪を
 存亡の危機にある祖国を救うため使いたい
 という誘惑と常に闘っていた。

 しかし、どんな力を持っていようと
 指輪は悪の根元であり
 その持主であるサウロン以外には
 扱えるものではない。
 指輪の不思議な魔力は
 あらゆる者を誘惑し堕落させ
 悪の世界へサウロンの元へ
 引きずり込もうとしているのである。

 ボロミアはとうとう正気を失い
 指輪を運ぶ使命を持ったフロドから
 無理矢理指輪を奪おうする。
 しかし、その時敵オークの軍団が攻め寄せ
 正気を取り戻した彼は
 ホビットたちを守るため
 命がけで闘って命を落とす。

 生きていれば彼は
 やがて執政としてゴンドールを治めるはずだった。
 死に逝く際、彼は傍らにいた
 旅の仲間のリーダー、アラゴルンに
 ゴンドール再興の夢を託す。
 実はアラゴルンは、遙か昔
 ゴンドールからいなくなった王の子孫だったのだ。
 ボロミアははじめ、王の血筋が存在するのを
 認めたがらなかったが
 最期に彼は、アラゴルンに
 「わが王よ」と言って果てる。

このボロミアの死のシーンは
第1作ラストを締める最も重要なクライマックスでした。
旅の仲間の結束と仲間たちの成長
そして旅の困難さを改めて認識するシーンです。

そして、2部には
死んだボロミアに代わって
今度は弟のファラミアが登場します。

原作のファラミアは
兄とは対照的に描かれ
高潔で完全無欠な人物として描かれています。
祖国存亡の危機の中
指輪を手にしたフロドを目の前にしても
指輪の誘惑に決して負けません。
おまけにものすごく兄思いで
ものすごく父思いでもあります。

この、お父さんのデネソール
(現・執政)という人が困った人で
兄のボロミアばっかり可愛がり
弟を邪魔者扱いする
愛情の偏った人なのです。
ボロミアが戦死したことを知ると
ファラミアの面差しが
デネソールの亡き妻の王妃
を思い出させて辛いことや
彼が(デネソールの嫌いな)
ガンダルフに傾倒していること等
色々理由はあるみたいですが…。
しかし
「ボロミアの代わりに
お前が死んでいたらよかったのに…」
ということをファラミアの目の前で
言うくらい非情なお父さんです(・_・、)。
そんな風にずっと兄と比べられて
認められずに育ったことを考えると
このファラミアの出来杉くん的性格は
もう奇跡的ともいうべきでしょう。
(普通ならグレている)。

しかし、映画のファラミアは
原作よりも人間的に描かれ
いったんは兄のように指輪の誘惑に負けてしまいます。
彼の願いは、兄のように父に認められることなのです。
「指輪を手に入れて、父に持ってゆけば
 きっと褒めてもらえる。認めてもらえる」と。
原作のファラミアの完全無欠っぷりも惚れ惚れしますが
こちらの設定も、自然でいいなぁと思います。

また、原作では語られない
ボロミア・ファラミア兄弟の会話も
映画の追加映像では見ることが出来ます。
兄ばっかり褒める父親に
「弟も褒めて下さい。よくやっています」
と言い返すボロミア。立派です。
決して父に甘やかされてはいないのです。

映画版のボロミアは
ファラミアとは反対に
原作よりも出来た人物に
描かれているように思います。


追加映像の中で、ちょっと納得いかなかったのは
アラゴルンが、スープを飲むシーンです。
ローハン王国の王女・エオウィンから
振る舞われた手作りスープを
アラゴルンはあまりのマズさに
そっと捨てようとします。
しかし、彼は野伏(レンジャー)で
ありとあらゆる苦難の生活を何十年も強いられ
不味い食事には慣れているはず。
エオウィンがどんなに料理が下手でも
アラゴルンなら食べられる
アラゴルンなら土でも栄養にしそうな
イメージがあるのですが…。

あと、このシーンで
アラゴルンが実は87歳であることが知らされます。
アラゴルンに片想いしているエオウィンは
それを聞いて目をまるくします。
普通だと
「げ。そんなじーさんだったんかいな」
って感じですが、アラゴルンが
伝説の長寿の一族(=王の血筋)だったと知り
エオウィンはますますアラゴルンに興味を持った様子。

別の追加シーンでは
エオウィンがアラゴルンに
告白するシーンもあります。

これは、日本語吹き替えだと
主語無しで

「命令される必要はありません。
 あなたから離れたくないから
 共に闘うのです。
 あなたのことが好きだから」

と言っており わたし=エオウィンが
「好きだ」と直接的に
言ったように聞こえます。
でも、元の英語の台詞は

"You do not command the others to stay!
They fight beside you because
they would not be parted from you.
Bcause they love you"

となり、主語は
「彼ら(アラゴルンに従う兵士たち)」
になっています。

ちなみに、原作では
別の場面でこの台詞が言われており
そこではこう書かれています。

「殿についておいでになる他の方々とて
 同じではございませぬか。
 あの方々は殿から離れたくないばかりに
 ついておいでになるのです。
 ―――殿を愛していらっしゃるからこそです」
(瀬田版旧訳より引用)

つまりエオウィンの告白は
もっと間接的なのです。

一方同じ日本語でも字幕では

「皆あなたと共に戦いたくて
 留まっているのです。
 あなたが好きだから」

となっており、(命令される必要は…)
の部分は省かれていますが
こっちの方が英語の台詞に近くなってました。
どっちにしてもここが映画で
カットされてしまったのはちょっと残念でした。

もう1つカットされて残念だったのは
エルフのレゴラスとドワーフのギムリが
討ち取った敵の数を競うシーンです。
エルフ族とドワーフ族は敵対しているのですが
旅の仲間である2人は特別な友情で結ばれています。
優雅で繊細なレゴラスと骨太でがさつなギムリ
対照的な2人ですがどんな困難な状況の中でも
快活さとユーモアを失わないところが共通しているのです。

レゴラス役のオーランド・ブルームは
「TTT」で一作目以上に活躍しています。
盾をスケボーにして石段を滑り降りながら弓を連射
という戦闘シーンは、なんとスタント無しで
本人がやったそうです。すごいですよね。
(勿論支えのレールは付けていたけど)

あと、レゴラスが
馬の正面から自分の体を半回転させて飛び乗る
というシーンは途中からCGだそうです。
ちなみにこの撮影をした日
オーランドは肋骨を折ったとか。

ドミニク・モナハンは足を切り
バーナード・ヒルも顔を縫い
ヴィゴ・モーテンセンに至っては
前歯を折り、手を痛め、川底に沈み
足の指を折ったりしたそうですが
それでもスタントマンの怪我に比べたら
たいしたことはないのだそうです。

死者が出なかったことが誇りだという
この撮影は、本当に過酷だったのですね。
ハイウッドの俳優なんて
とても優雅な職業に見られがちだけど
決してそうではない事が
メイキングを見ているとよく分かります。
でもみんなそれを当然だと思っているのがプロですよね。
仕事であり好きなことであることを
悔いなくやり遂げることが
大きな自信と成長に繋がるのだろうな…。

いよいよ、今月中旬
「LotR」の最終章「RotK」が
アメリカで公開されます。
日本公開は来年ですが。
これで映画も完全に終わると思うと
とても淋しい。3年なんてアッという間ですね。



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