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星組公演「王家に捧ぐ歌」を観てきました。
CSの宣伝時点から 「これは…これは絶対わたしの好みの作品だ…」 と思っていたけれど、その確信どおり 最初から最後までわたしのツボを突きまくり ハンカチ片手に号泣に次ぐ号泣…。 鼻で息ができないくらい泣いた公演って 「心中・恋の大和路」以来。 そしてこんなにツボを突いた作品は 「血と砂」以来。 そして、わたしの15年間の これまでの宝塚ファン人生の中で ここまで感動した 本公演のオリジナル作品は ファンになったきっかけの 「ベルばら」以来です。 といって今更「ベルばら」を 再々再演されても たぶん感動できないだろうけれど それに代わるような一本立て大作を 作れる演出家が、とうとう 宝塚に出てきたことは ほんとうに嬉しいことだと思います。 木村先生…「鳳凰伝」以来ヒット続きです。 思えばこの間の「不滅の棘」もCSでチラッと観て 「これは…わたしの好みの作品かも」 と思ったものでした。 「鳳凰伝」「不滅の棘」「王家に捧ぐ歌」 この3作品に共通するものは どれも、原作は女性が主人公で 「命の大切さ」を問いかけたもの であることでしょうか。 わたしがどうして これほどまでに「王家」に感動したのか わたしの感じた魅力を考えてみます。 ・演出・歌がドラマティックである ・雰囲気がロマンティックである ・ストーリーが明快かつ深読みも出来る ・装置・衣装が豪華で装飾的である ・テーマと人物像に陶酔・共感できる ・主要キャストがハマり役である これで、もしもわたしの ご贔屓さんが出ていたならば 恐らく怖いくらいに 通い詰めてしまったことだと思います(^^;)。 これでお披露目するワタルくんファンの人は なんて幸せなんだろうと思います。本当に羨ましい。 ワタルくんのファンが東宝千秋楽終了と同時に 破産申立したと聞いてもきっとわたしは驚かない…。 そしてこの公演に出ている出演者も幸せだ〜(^^)。 わたしも、改めて、ご贔屓さんが出てなくても 宝塚が大好きなんだと思いました(^^)。 CSのトークで檀ちゃんが 「このお芝居は、 主人公のラダメス、 彼に恋するアムネリス、アイーダ どの視点からでも見られるし、また 舞台となったエジプトと 敵対するエチオピアという それぞれの国の視点からでも 見られるのが面白いと思う」 みたいなことを話していたけれど 本当にそうだと思います。 いろんな視点で好きなように共感出来るんです。 ちなみにわたしが一番共感したのは 檀ちゃん演じるアムネリスでした。 アムネリスのラダメスへの愛は ついに通じることはなく アムネリスの魂は、アイーダほど ラダメスに近くはなかったけれど アムネリスの愛は、 アイーダに負けないくらい 純粋で強かったと思うのです。 その愛し方が、基本的にどこまでも 女であるところが本当に共感できるのです。 確かにヒロインはアイーダだし 演じるトウコちゃんがとても上手で 歌声も素晴らしいのですが わたしはトウコちゃんのアイーダは ラダメス(ワタルくん)の魂の共鳴者であり 心で結ばれた同志のように感じました。 トウコちゃんがあまり女らしくないから 恋人ではなく友人のように見える と言っているのではなく それはそれで男役同士で演じるならではの 愛の形として、とても素敵なものだと思います。 ----------------------------- エジプトに滅ぼされた 貧しい国エチオピア王の娘として 敵国の奴隷となった王女アイーダ。 彼女の祖国を救いたいという思いと 敵国の将軍との愛は矛盾しています。 しかし彼女は、 「戦いは新たな戦いを生むだけ」 という何ものにも勝る強い信念を持ち エジプトに復讐を誓う兄たちを諭し 自分と同じように、広く世界を見渡して 平和を願うエジプトの 将軍ラダメスと、魂を通わせてゆきます。 ここまでのアイーダは とても崇高な精神の持ち主なのですが 物語が進むにつれ アイーダもまた弱い1人の人間に過ぎない ということが描かれます。 彼女はラダメスとの愛の成就と 肉親であるエチオピア王の願いの 両方を叶えるためにラダメスから聞いた エジプトの機密情報を父に漏らしてしまうのでした。 「これでわたしを解放して。 わたしは、ただの女になるのだから」 と宣言して。 けれども、激怒したエジプトの逆襲により 祖国エチオピアは滅亡してしまうのでした。 一方、世界一強大な帝国 エジプトのファラオの一人娘として 何不自由なく暮らす誇り高い王女アムネリス。 彼女にもまた、国を継ぐ王女としての生き方と 女性としての純粋な生き方の両方が存在しています。 この2つの意思と望みを同時に満たすのが 将軍ラダメスの存在でした。 ラダメスへの愛は、当然のように 叶えられるはずだったのですが 彼が思いがけなくその愛を拒み 更に、彼がアイーダのために (図らずも)国を裏切る形になったことで 彼女は国を継ぐ王女としての生き方の方を 選ばざるを得なくなります。 彼女は宣言します。 「たった今から、わたしがファラオとなり この国を治めます」 そしてエジプトは、エチオピアを殲滅させ アムネリスは最愛の人を自らの手で 処刑しなければならなくなるのでした。 こうして、多くの血が流された エジプトとエチオピアは エジプトの将軍とエチオピアの王女の死 という最悪の局面を迎えてようやく 「戦いは新たな戦いを生むだけ」 という言葉の意味を知るのでした。 何をされても、また、何のためにでも 祖国や肉親や恋人への愛のためであっても 絶対に戦わないということが どんなに困難であるかを。 そして戦いが続けば 祖国や両親や恋人を愛することすら 出来なくなってしまうという事実を。 ラダメスの処刑の直前 アムネリスは、ラダメスを訪れて言います。 「わたしにあなたを殺させないで! "アイーダにだまされた"と言って。 そうしたらわたしは、 あなたをここから逃すつもりです」 それが、ファラオとなったアムネリスの 女性としての最後の愛の示し方だったのですが ラダメスの生き方や信念からは それは到底受け入れられるものでは ありませんでした。 ラダメスからアムネリスに与えられたのは 「エジプトは、世界が滅ぶ日まで 戦い続けるのでしょうか…?」 という最後の問いかけだけでした。 こうしてラダメスは アイーダへの愛を貫き 平和への希望を祈りながらこの世を去ります。 物語は最後に、 ラダメスの問いかけに答えるような アムネリスの宣言で締め括られます。 「聞きなさい。わたしが生きている限り エジプトは二度と、戦いに挑んではなりません。 この宣言の虚しさは充分に承知しています。 けれども、我々は決して 平和への希望を失ってはならないのです」 この時初めて、アムネリスは ラダメスの魂に共鳴する ことが出来たのではないでしょうか。 女として、アイーダのようにラダメスに 愛されることは出来なかったけれども ラダメスの魂を真に理解したことは ラダメスを愛した者として やはり幸せなことだったと思います。 |
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