6匹目の兎<日進月歩でゴー!!>*R-15*

2007年01月01日(月)   いつものように幕は上がる

謹賀新年、明けましてオメデトウ御座います。
先年は本当に、皆様方にあらゆる意味でお世話になりました。
それなのに、満足なお礼をすることも出来ませんで・・・お許し下さいませ。

本年もお世話をかけるかと思われますが(笑)←コラ
宜しくお付き合いのホド、お願い申し上げます。

共に、萌えて。
2007年、猪突の年を、良き年に致しましょう!!


年の初めから、いきなりコンナ文。
しかも、ベタネタ故。
誰かが既にヤっているだろうとは思いつつも。
どうしてもヤりたかったッ・・・!!!(握り拳を震わせつつ)


生暖かく、見守ってやっていただけると有り難いです(笑)








本当はこれをメルにてお世話になった方々に送りつけるつもりでしたが(エ?)
それは幾らなんでも非礼に過ぎよう、と思いとどまりました。
思い止まって、本当に良かったと思いました。

こんなの送りつけたら、きっと変質者扱いされるもの・・・。

公/安/9課 in 事始め de 姫始め

私の事始めが、姫始めにならなかった事が唯一の救いかもシレナイ(笑)





































────────────[原作ベースはセクハラが基本なのでシモな感じでスイマセン・・・・orz]





『あーまた任務しながら年越しか・・・』
防弾防刃に優れたコンバットスーツ、通称・忍者服に身を包み、愛銃のマテバを手にしてトグサはぼやいた。
電通で、ぼやいてもいい相手に、だ。(只今、突入のタイミングを待ち、待機中なのである)
『うちでかみさんの作った雑煮食いながら、寝正月してみてえ・・・』
ささやかな希望だが、こんな職場では、無理というモノ。
しかし、言うだけはタダなのだ。
トグサは言いたい事を口にした。
任務しながらの年越しだなんて、そういう心境にもなろうというものである。
しかも、このまま行くと任務遂行しながら、年越しなのだ。
これが、ぼやかずにおれようか。
『何を夢みてえなこと言ってやがる。しゃーねぇだろが、これが俺達のお仕事〜』
個別通信の相手のバトーが、呆れ声で返してきた。
『わかってるよ、そんな事は』
トグサは溜息を吐いて、肩を落とした。
そんなトグサの姿が見えているかのようにバトーは笑い出し、
『しっかし、それにしても。色気がねえなあ、お前は。雑煮ってなんだよ、雑煮って』
言葉を続けた。
『だいたいよ、新年正月ったら、する事があんだろ?』
そこで、トグサははたと気付いた。
バトーの話のトーンが変わった事に。
瞬時に、拒否の言葉を口に出す。
『黙れ、それ以上、言うな』
しかし、そこで怯まないのがバトーという男である。

トグサが最もイヤだと思う展開になろうとした瞬間。

ポーン、という時報が電脳に響いた。
電脳の端にリンクさせていたニュースサイトが、新年の訪れに対して、コメントを始めた。
が、トグサがそれを聞いている心の余裕は既にない。
『やっぱ、男なら、事始めより』
バトーは楽しげに話を続け、トグサは必死に抵抗し続けていた。
虚しい努力である。
『言うなって、言ってンだろっ!!』
そして、報われない努力でもあった。
『 姫 始 め だ ろ ー ー ! ! 』
『 う る さ い ッ! 黙 れ ! ! 』
案の定、聞きたくない台詞を吐かれ、トグサは打ちのめされた。
電脳の隅々にまで響き渡るような状況で、聞きたくなかった。

こんな言葉。

トグサの新年一番最初の後悔は、前年から続くの自分の浅はかさで。
個別通信なんぞをしてしまった事でもあった。
任務中にぼやいた、罰かもしれない。
トグサは、何となく納得できない怒りを感じて、相手の電脳を破壊するつもりで怒鳴りつけた。
それでバトーが打ちのめされるなら、可愛いものだ。
『新年明けた数秒後っから、ふざけたコト言ってんじゃねえぞ!っこの、変態サイボーグ!!』
『なぁ、お前さ、この後どうよ?俺と一緒に姫始めってのは』
新年になっても、バトーのセクハラと、図太い神経は健在だった。
『黙れ、腐れサイボーグ!!』
『気持ちイイ正月、迎えさせてやるぜ〜??』
『誰が、手前ぇと正月なんて迎えるかッ!!!!』
マテバの銃把を握る手がブルブルと震える。
『俺と官能の夜、ヨクねえ?』
『 ほ ん と 死 ネ ! 今 年 こ そ 死 ネ ッ ! ! 今 す ぐ 死 ネ ッ ! ! ! 』
トグサの絶叫が、ネットの海の端っこで、嵐を巻き起こしていた。

『あんた達、新年早々、ジャレついてんじゃないわよ』

その嵐を軽々と踏み越えて、聞き慣れた女の声が、トグサとバトーの電脳に響き渡った。
『うっとおしいったらないわ』
枝が付くのを警戒しての、暗号通信だ。
トグサとバトーの会話は個別通信だったというのに、彼女には全てがダダ洩れていたらしい。
呆れたような、笑っているような、そんな草薙の声にトグサは噛み付いた。
『じゃれついてなんてねえ!』
バトーは暢気に、
『このくらいの息抜きがねえと、やってらんねえんだもん』
そう、待機することへの退屈感と不平を口にした。
突入したいなら、とっととしたいのだろう。
荒事大好き、の男としては。
『随分と楽しそうに、息抜きしてたように聴こえたのは、気のせいかしらね?』
二人の言い分に、草薙はそう言って、鼻で笑った。
それに、トグサはグッと言葉に詰まり、バトーはといえばグウのネも出ない。
『続きは後でにして。車の中でも、ベッドの中でもね?』
追い討ちをかける様にかけられた言葉に。
『・・・・・・・』
『へいへい〜』
トグサとバトーは、二人二様の反応を返した。
『じゃあ、いいな?突入するぞ』
草薙の声が、瞬時に女隊長の色を滲ませる。
『・・・了解』
『やっと暴れられる〜〜♪』
思考を切り替える時が来たのだと、トグサは己を納得させ、草薙の次の命令に備えた。
彼女のセリフはこの際、聞かなかったことにしよう。
トグサは暢気に突入を喜ぶバトーに、心の中で鉄槌を下しながらそう思った。


そうして、新年最初の荒事の任務が、始まろうとしていた。


「新年早々、なんて優しさのない職場なんだ・・・・・・セツネェ」
トグサは大きく溜息を吐いた。
脳内で呟いたりせずに、諦めを口に出したのはこれ以上、切ない気分になりたくなかったからだ。
でも、口に出して、より一層。
切ない気分になってしまったのは、今年最初の誤算だった。

トグサはもう一度、溜息を吐き、マテバを握り締めた手の力を緩めた。







END


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武藤なむ