6匹目の兎<日進月歩でゴー!!>*R-15*

2005年10月18日(火)   BT30題「22) 接続不良」

連続更新・第五夜。

BT30題、犬ベース。
トグ語り。
法則通り、やはり、暗い感じに仕上がる罠。


うう、せめて、微糖な感じに仕上げたかった・・・・・・orz


しかし、お笑い→お色気ときて、これって。
私の頭の中は、ほんとにどうなっているのか?(笑)





























まるでそれは、薄絹に遮られた世界。

同じ場に立っているにも係わらず、接触することが出来ない。
薄っすらとした一枚の膜が、恐ろしいほど強固な壁となって。


自分と、男を遮っている。


耳に心地好い低音が語る言葉に。
心がないと気付いたのは、いつだったか。
語りかけた言葉が。
届かないと気付いたのは、いつだったか。
感情の揺らぎさえ映さないはずの義眼が。
過去に囚われていると気付いたのは、いつだったか。


もう覚えてはいない。


ただ、不意に気付いたのだ。
投げ掛ければ、言葉は返り。
それに、応じた言葉を返す。

それを繰り返して。

あの男から返る言葉が虚しいと。
自分の返す言葉が空しいと。
そう、気付いた。



男は、此処にいない。



過去という薄絹が、男と現実を隔て。
過去の象徴である女が、男を縛る。
薄絹は、何者をも阻み、厳然とそこに佇む。


それを前に、己はただ、哀しいほどに無力だった。
ただ、現実に立ち、薄絹の向こうに見える男の背を。
見つめるしか出来ない。

いつか、男の義眼が、現実に向くことを。
いつか、男の言葉が、心を取り戻すことを。

祈りながら。

いつか、自分の言葉が、男に届くことを。

願いながら。



「接続不良だな、俺とあの男は」



いつになったら、繋がれるのか。
埒もないことだと思っても。
それでも、考えずにはいられなかった。






あの男のことを。









END


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武藤なむ