6匹目の兎<日進月歩でゴー!!>*R-15*

2005年07月14日(木)   互いを繋ぐ、それは、儚い蜘蛛の糸のよう

書いてるうちに。
犬扇子ベースになった。
そして、ものっそ、暗い感じに仕上がった。

あれ?(首を傾げる)

***

ここまでダークな話。
初めて書いた気がします。
今、自分も。
この話に引っ張られて、ダークです・・・orz

書いていて。
心を抉られるように感じたのは。
自分にも、覚えのある感情だからでしょうか。
心の奥深くに隠してあるものを覗き込んでしまった、そんな感じ。

かもしれない。
なーんつって。

ね?(笑)

















********************



何かを追うように流れる視線。
見えざる者を視る義眼。
過去があるだけの義体。

この男は。
決して。
現在に佇む自分を見はしない。



********************



視線の先。
義眼の男の背中がある。
それを俯き加減の視野にいれながら、歩く。

こんな時。
そう、こんな時。
堪らなく、荒んだ感情が咽喉を詰まらせるのだ。


不意に現れる心の中の真っ黒な部分。
深く薄暗い井戸を想起させる、その闇。
それを覗き込んでしまった自分。


そこに沈んでいたモノに、戦慄を覚えた。
いいトシをした男が。
まるで子供の独占欲で。
我が儘に、相手の総てを欲しいと。
心の奥底で叫んでいる。


気付かなければ、よかった。
暗い闇を覗き込んでしまった自分を悔いた。
実際、自分と違う、他人の総てを手に入れることなんて不可能だというのに。
自分がそれを望むのは、罪でさえあるというのに。
それを半ば、本気で求めている自分がいた。

そして、何よりも恐ろしいのは。

この心が消えない。
耳を塞いでも。
目を閉じても。
口を噤んでも。
そう。
どんなに見ない振りをしても。
無いものと思っても。
消えない。


消えないのだ。


判っているのに。
そんなことを望むのは、間違っていると。
自分と相手の間にある繋がりは、ほんとに細い蜘蛛の糸のようなものだと。
儚いものだと。
そう、判っているのに。



ああ。
泣いている。
吹き荒れる嵐のように。
自分の中の子供が。


ゴーストが、叫び続けている。




*********


あんたにはあのひとがいて。
おれというそんざいは。
あんたがもとめているものとはけっていてきにちがっている。
だから、だめ。
だめなんだ。

わかっている。
それなのに。
このきもちはきえてくれない。
いつまでも、いつまでも。
いつまでも、こころのそこにのこって。
きえてはくれない。

なきわめくこどものようにごーすとがさけぶ。




こっちをみてくれ。
あんたのことばをきかせてくれ。
すこしでいい、こころにふれさせて。




これをつたえれば、らくになるか?
けど、つたえるすべをもたない。
いや、もってはいるが、つたえることをためらう。

臆病。

そうさ。
おくびょうになって。
ずるがしこく。
そうやって、じぶんをまもるしかない。


*********



どうしたら、前のような関係に戻れる?
なんの躊躇いも、戸惑いも持たず。
あるがままの感情で、傍にいることが出来たあの頃に。
あの時の関係に?
どうしたら?
どうしたら、この、ゴーストの嘆きは消える?


そんな方法、ありはしない。
判っている。


だから。
ただ、あんたを見ている。
言葉なく、触れ合うこともせず。
ただ。
あんたの背中を。

何もかもを拒絶する背中を。





その背から伸びる蜘蛛の糸が。
切れない距離を保って。

泣き叫ぶ子供のゴーストを抱き締めながら。






END


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武藤なむ