| 2005年06月22日(水) |
朝に解ける甘く苦い記憶 |
捧げちゃっ隊出張版。 ・・・捧げページ改装中で、しかも、進まないので・・・・・orz 6兎に出張してのアップでございます。
これは先日おこなわれたやこさん宅の絵茶で、調子に乗って、お題狩りしたものです。 その節は、失礼を致しました・・・・orz *調子にのせると、無礼を働きますので、要注意*
絵茶オーナー・やこさんから狩り取った(え?)お題は、素敵シチュエーション&アイテムのダブルコンボでした(笑)
「初めての朝」&「コーヒー」
んなっっっんて、萌えなお題か!!!!(萌え興奮) お蔭様で、あっという間に書けました☆
やこさん、お題くさだってありがとうございました〜〜VVV つたないSSですが、捧げさせていただきますです(笑)
や、お気に召せば、いいんですが・・・ネ。うふふ。
カーテンの隙間から差す白い光が、瞼を撫で。 朝か。 トグサは、それから逃れるように、寝返りをうった。 そして、戻ってきた薄闇に、安堵の息を微かに漏らす。 すると。 隣にいた男が、トグサの動きに同調したかの様に動いた。 その気配は、ベッドのスプリングを軋ませ、離れていった。
男の気配が遠くなってから、トグサは目を開けた。
見慣れた天井に、見慣れたカーテン。 ベッドやソファ、ライトスタンドの他に、目立つ家具はない殺風景な部屋。 フローリングの床に、無造作に投げられた雑誌は中途半端に開いている。
生活感が限りなくない部屋だ。 しかし、何故か落ち着ける。 トグサは、不思議なものだ、そう思った。
衣擦れの音をさせて、身を起こし、鈍い痛みと残り香のような疼きを感じて溜息を吐く。 だるい身体とは裏腹に、ゴーストは甘く落ち着きを見せているのも不思議といえば、不思議だった。
この部屋の主である義眼の男に、抱かれるようになり。 身体を繋ぐことに抵抗感がなくなって。 心地好くすら感じ出してから。
何度目の朝だろうか。
トグサは、また閉じてしまいそうになる瞼を擦りながら、そんなことを考えた。 ぼんやりと。
妻も子も、いる身で。 同僚の、しかも、男と。 何故、こんなことになったのか。 今では、定かではない。
きっかけは何だったのか。
男を慰めようとしたのか。 それとも、男に慰められたのか。
トグサの中に、その記憶は、確かにあるはずなのだ。 けれど。 思い出せない。
それとも、思い出さないようにしているのか。
トグサは苦笑を浮かべると、ベッドの脇に落とされた自分の服を拾い上げ、身に着けた。 ひんやりとしたその感触で、目覚めが確実のものになる。 ズボンをはきベルトを締め、シャツに袖を通す。 トグサの背に、男の低音が投げられたのはそんな時だった。
「起きたのか?」
脳に直接、響くような声。 トグサは、その声に答えた。
「ああ」
肩越しに振り返ると、上半身は裸のままの男が立っていた。 じっと、こちらを見ている。 その義眼を見返し、不意に、気付いた。 微かに漂う、何かの香り。 それが、トグサの鼻腔を擽る。 コーヒーだ。 トグサは、心の中で、呟いた。 毎日の生活の中で、欠かすことのないものの匂い。
「コーヒー、淹れてくれた訳?」
首を傾け、問うと。
「お前の為にな。どーだ、お優しいだろ?」
男が、にやりと口の端を引き上げ笑った。 トグサは、それに肩を竦め、同じように笑いながら答えた。
「ええ、お優しくって、涙が出そうだよ」
男が笑い、トグサも笑う。 軽口を叩き合うのも、毎日、欠かすことはない。
「来いよ。注いで差し上げるからよ、俺様が」 「それは、有り難いことで」
顎で来いと招く男に、トグサは大人しく従った。 シャツの釦をとめながら、立ち上がると、いっそうコーヒーの香りがした。
そういえば。 身体を繋いだ夜を過ぎ。 初めての朝。 同じように、男はコーヒーを淹れてくれた。
香ばしい苦味を含む匂いに、トグサの記憶が引き出された。 フラッシュバックの様に、過去が戻り、その瞬間の鮮明さに。 トグサは思わず、足を止めた。 それに気付いた男が、トグサを返り見、また名を呼ぶ。
「トグサ?何してる、さっさと来い」 「────あ、ああ。今行く」
その声に現実に引き戻されたトグサは、何度か瞬きをした。 それで、過去は消えた。 思い出せない、思い出さない記憶のその欠片。 トグサは、その部分だけを思い出した。
甘いような苦いような、記憶だ。
トグサは、薄く笑むと、自分を待つ男のもとへ歩き出した。
End
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