6匹目の兎<日進月歩でゴー!!>*R-15*

2005年02月28日(月)   鬼の守人   <序>/<壱>

ども。
裏パラレル「鬼の守人(オニノモリビト)」始めました。
とりあえず、序と壱をアップ。

が。

アレでソレな、設定なので。(話の内容じゃねぇのかよ!)
「読んでも良いよ(微笑)」
という方だけ、↓にスクロール願います。

攻殻で、やんなくっても、いいじゃん?っていうのは、なしの方向で!(汗)

あと、名前は漢字変換してありますんで。
雰囲気で、分かると思いますが(笑)


でわでわ。
↓のほうへ、どぞー(礼)





























序・癒し手


兎草の家系は、所謂、霊能といわれる力を受け継ぐ家系であった。
故に、兎草も”此の世の人には視えぬ者達”の姿が、幼い頃から視えていた。

人だった者、人でない者。妖しの者。

此の世の者と彼の世の者の区別がついたのは、兎草が小学生になる頃だった。
が。
視えるからといって、何が出来る訳でもない。
兎草はただ、声を聴き、姿を見、想いを識ることが出来るだけだ。
巷にいる「霊能者」やら「能力者」のように、祓ったり、成仏させたりといった事は一切、出来ない。
いっそ、潔いくらい、何も出来ない。
そういうことが出来るのは、兎草の姉の素子や祖父・大輔だけだ。
その祖父、曰く。

兎草は、

「器に力は満ちているが、その力を揮う術を持たぬ」

らしい。

しかし、そんな兎草だが、力はあるので、出来ることもある。
一応は。(しいて言えばだが)
だが、これにしたって、兎草は意識して使ったことなどないので、出来ると言って良いかどうか。
甚だ、微妙なところである。

その力は、”癒し手”と姉に命名された。

ただ、触れるだけ。傍にいるだけ。
それで、心身に傷持つ者が”癒される”そうだ。
傷や何かが、消え去るわけではない。
それによって縛られた心が和らぐ、そういう力である。
人限定でない、元・人や妖しの者にまで有効な力らしく、兎草のまわりはいつも騒がしい。
けれど兎草は、その力についてよく分かってないし。
まあ、判らなくとも困らないと思っているので、深く追求したことはなかった。
「あんたに似て、能力までお人好しね」
とは、姉・素子の言葉だ。









壱・庇護する獣、二匹


兎草の家の裏山には、一際目立つ木があるのだが。
兎草は、その木を思い出すと必ずそこに向かうことにしていた。
行かなければと、何故か思うからだ。
その木は、桜の大樹で。
毎年見事に、花弁の多い花を咲かせる。
花が散っても、その姿は堂々としていて。
兎草のお気に入りの場所であった。
だから、行こうと思うのも、自然な気持ちで。
一度も躊躇ったことはなかった。
この日も兎草は、なんら躊躇うことなく、裏山へ足を向けた。

家の裏にある山道を10分程登ると、突き当たりに、その桜は見えてくる。

兎草は、細い山道を慣れた足取りで歩いた。
空が徐々に夜へと、変わっていく時間帯だ。
[兎草、また、いつもの処か?]
密やかな声がする。
兎草は、それに頷く。
「うん」
兎草の足元に、二匹の獣の姿があった。

一匹は、左の目に大きな傷がある隻眼の漆黒色の猫。
もう一匹は、麦の穂色の被毛が美しい狐である。

この二匹は、素子が従わせている妖しの者たちだ。
そして、兎草の庇護者でもあった。
身を護る術がないのに、色々な者達に纏わり憑かれる兎草の身を案じた素子の命で、常にどちらかが傍にいる。
黒猫は、ちらと兎草を見上げると話しかけた。
[明日にしたらどうだ?]
「犀灯?」
”犀灯”と呼ばれた黒猫は、兎草の前に回り込んで、足を止めた。
[もう、じきに黄昏だ。妖しの者も動き出す]
狐も、それに倣い、戸草の前に立つと引き止める言葉をなげた。
「波厨?なんだよ、二人とも今日に限って」
足止めをされた形になった兎草は、立ち止まり、二匹の庇護者を見下ろした。
足元の二匹は目を見交わし、お互いが正体不明の不安を抱えていることに気付くに至った。
しかし、その不安は、未だカタチを成しておらず。
[最近は闇が濃い。油断してはやられる]
[黄昏は危険だ]
口々に言葉を駆使し、庇護しなければならない子供を諭そうとした。
が、言葉に力が宿らず、子供を止めることは出来なかった。
「それは、わかってるよ。でも、此処はいつも来てるところだし。祖父さまの結界もあるし。大丈夫だよ」
兎草は、足元の二匹に目線を落とし、声をかけた。
「お前たちもいる」
この子供にこう言われると、弱い二匹は、再び歩き出した兎草に付いて歩くことになった。
[犀灯]
[何だ]
[一時も、油断するな]
[解っている]
二匹の獣は、油断なく辺りに視線を走らせながら、囁き交わした。


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武藤なむ