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 The Dark Elf Trilogy : Exile (#2)/R. A. Salvatore

The Dark Elf Trilogy: Homeland, Exile, Sojourn (Forgotten Realms)
/R. A. Salvatore (著)
ペーパーバック: 808 p ; 出版社: Wizards of the Coast ; ISBN: 0786915889 ; Collectors 版 "Homeland", "Exile", "Sojourn" 巻 (2000/02/01)

※この本は三作合本版。単独のものは以下。

Exile (Forgotten Realms, Dark Elf Trilogy, Book 2)/R. A. Salvatore (著)
マスマーケット: 306 p ; 出版社: Wizards of the Coast ; ISBN: 0880389206 ; 2 巻 (1990/12/01)
月刊マックパワー(第161号)
「ダークエルフ物語 I 故郷、メンゾベランザン」に続く第二巻。本書は世界中で遊ばれているロール・プレイング・ゲーム「ダンジョンズ&ドラゴンズ」の世界観をもとにしている。同ゲームのファンはもとより、冒険ファンタジー小説が好きな方にはお勧めです。(2003年6月号)



ロール・プレイング・ゲーム「ダンジョンズ&ドラゴンズ」の世界観をもとにしている・・・などと解説されてしまうと、なんとも居心地の悪い思いになってしまうのだが、1巻目の感想にも書いたが、私はゲームのことは全く知らない。

1巻目で故郷メンゾベランザンを捨てたドリッズトは、都市を離れたアンダーダークの世界で、孤独に生きていた。友は黒豹のグウェンワイヴァーだけ。そのグウェンワイヴァーも、魔法で作り出された別の世界の存在なので、年中一緒にいられるわけではない。ひたすら孤独に耐えるドリッズト。

アンダーダークで生き残るには、冷酷にならざるを得ないのだが、そうなっては故郷を捨てた意味がないと思ったドリッズトは、思い切ってノームの都市へと潜入する。誰でもいいから、話のできる相手が欲しかったのだ。

そこで心の友を見つけたドリッズトだが、母親のマリスがドリッズトの命を狙うため、殺された父親のザクネイフィンをゾンビとして生き返らせて送り込んだことを知る。父親と戦わねばならない苦悩と悲しみ。

だが、そうした試練にも打ち勝ち、ドリッズトはさらに成長する。その時40歳。アンダーダークのドロウ(ドリッズトたちダークエルフの種族)は、何世紀も生きる。だからまだまだ若いドリッズトなのだが、地底世界の精神的な闇がつくづく嫌になり、とうとう地上へと足を向ける。

この物語は、精神的な闇の部分が描かれていることが多く、ほとんど暗い話なのだが、子供向けファンタジーという以上の、よく考えられた物語である。悪者ぞろいのアンダーダークの住人たちではあるが、彼らとて、生きていくためには、闇の掟に従わなければならないわけだから、一概に悪いとばかりは言えないのだ。

けれども、そこにどうしても馴染めないドリッズトの孤独と苦悩は、読みながらひしひしと伝わってくる。地上に出たドリッズトはどうなるのか?それは次の巻のお楽しみである。何かをいえば戦って殺し合うというような、暴力的で暗い話なので、ものすごく面白いというわけではないのだが、読者を捕らえて放さない力を備えた物語だと思う。

1巻目からずっと疑問に思っていることがあるのだが、ドリッズトの母親のマリスほか、ドロウたちに崇め奉られている、邪悪な「蜘蛛の女王」とは、一体何者なのだろう?その存在が気になって仕方がない。


2004年07月20日(火)
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