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 Christmas in Camelot(Magic Tree House, 29)/Mary Pope Osborne

主人公のジャックとアニーの兄妹は、アーサー王のいるキャメロットへ行く。実はこの設定は特別なものだった。このシリーズ、魔法で本の中のいろんなところに行くのだが、どれも実在の場所というのが基本らしい。ところがキャメロットは伝説の中の場所。最後に私の好きなマーリンが現れて、この設定の謎が解ける・・・。

ジャックとアニーが森の中で見つけたツリーハウスは、モルガン・ル・フェイ(アーサー王の異父姉である妖姫)の魔法がかかった<Magic Tree House>だった。そこで本を開いて強く願えば、本の中に飛び込んでいけるのだ。

これまで数々の冒険をしてきたジャックとアニーだが、今回は少し様子が違うようだ。アーサー王のいるキャメロットから、クリスマスの招待状が届いたのだが、さて行ってみると、招待状を出したのはモルガンではないという。それに、どうもキャメロットの様子がおかしい。それというのも、アーサー王の敵モルドレッド(王の息子)の側の闇の魔法使いに、喜びの感情を奪われてしまったのだという。

円卓の騎士であるランスロット、ギャラハッド、パーシヴァルが「別世界」に「記憶と想像力の水」を取りに出かけたが、いくら待っても帰ってこないので、王はすでに諦めきっていた。そこにクリスマスの騎士が現れ、ジャックとアニーを冒険へといざなう。

あのランスロットにも果たせなかった冒険を、こんな子どもたちが?という感じだけれど、白い鹿の助けによって、とにもかくにも冒険は無事に済んだ。3人の騎士も救い出し、「記憶と想像力の水」も手に入れた。ドラゴンとだって戦った。世にも恐ろしいドラゴンが、たいまつの火で逃げてしまうなんて!と思ったが、まあ、目をつぶろう。それに、水をゴブレットで運ぶなんて、頭悪いんじゃない?って感じだけど、アーサー王物語には聖杯がつきもの。それも仕方がないだろう。

結局ゴブレットを運んでいたジャックが、最後に・・・。ぎゃー!やっぱり!この場面を書くために、ゴブレットだったのか!聖杯云々など関係なかったわけね。(^^;

ともあれ結末はマーリンも登場して、ハッピーエンドで、めでたし、めでたし。あれこれ突っ込みたくなる部分はたくさんあるのだが、子どもの読み物としては、ハラハラ、ドキドキがたくさんあって、冒険心をくすぐるだろう。このシリーズを読んだ子どもたちが、自分の近くにも<Magic Tree House>がないかなあと憧れたりするかもしれない。でも、魔法のツリーハウスがなくたって、本を読めばいろんな世界に飛び込んでいける。そういうことに気づいて、たくさん本を読んでくれるといいなあと、明るい気持ちになれる本。






2003年12月05日(金)
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