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 マンハッタン・コールガールの日記(B+)/トレイシー・クワン

ナンシー、愛にあふれたマンハッタンの娼婦(コールガール)。10代でこの職に就き、いまや売れっ子として毎日が充実中。コールガールなんてバカにされがちだけど、ナンシーはプライドを持ってこの(天性の)仕事に自分を捧げてる。でも最近、親友のストーカー客に怪しげな信仰問題、そして私生活の恋人との婚約(娼婦の仕事なんてもちろん秘密!)に、頭がこんがらがってきた・・・。
たくさんの男の羨望をとるか、ひとりの男の愛情をとるか!?
ナンシー、究極の選択に迫られて、人生最大の山場を迎える――。
気は強いけど情に厚い、キュートなコールガールの苦悩と涙(そして笑い)の日記。――カバーより

ブリジット・ジョーンズの娼婦版って感じ?作者の半自伝的な日記らしいが、カバーに載っていた写真(思いっきり東洋系)を見て、これが高級娼婦なの?とまずは疑う。主人公の名前がナンシー・チャンだから、東洋系であることはわかっていたけど、でもねー。ニューヨークで高級娼婦をやっているようにはどうやっても見えない。

でも、とりあえず面白かった。
娼婦って楽しそうな職業だななんて、間違ったイメージを持ちそうな感じさえしてしまうのだけど、一番の問題は、娼婦であることを隠してつきあっている婚約者。仕事を取るのか、愛する人を取るのか?という問題に直面したら、私なら迷わず愛する人と答えるところだが、ナンシーの場合は違う。10歳の時から娼婦になるのを夢見て、家出までした早熟な女の子だし、そもそもその仕事が好きなのだ。だから、婚約者にも仕事は邪魔されたくないらしい。

社会問題なども含めながら、あれやこれやのエピソード(仕事場面はかなりきわどい)をどうなっちゃうのかな・・・と思いながら読んでいると、最後はちゃっかり・・・。やっぱりナンシーにとっては天性の仕事なんだろう。倫理という問題から言えば、とんでもないこととも思うが、この人はこういうふうにしか生きられないんだろうなと思う。

それにしても、途中でセラピーを受ける場面が何度も出てくるのだが、アメリカ人て、どうしてこうもセラピー好きなのかな?というか、この物語にセラピーの場面は必要?

ナンシーの愛読書が何冊も出てくるが、それもまた興味深い。なぜなら、これは作者の半自伝的な小説だから、物語の中で架空に読んでいるというだけでなく、実際に娼婦であった作者が読んでいたものだと思われるからだ。



2003年03月18日(火)
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