| 2013年04月12日(金) |
奄美大島の旅10(忘れそうになりながらも急いでかきなぐる) |
【3月31日】
7時半におきる。
まだ酔っている。
身体がおもくて すこし気持ちがわるい。
こういうとき まやさんは なんだか さわやかなのだ。
まやさんの方を みてみると
やっぱり さわやかで
手際良く 荷造りなど している。
動けないわたしは さわやかなまやさんに 最後の珈琲を 入れてもらう。
ああ いい香り。
きのう おかあさんに いただいた 干し柿を たべる。
天野さんご夫妻に いただいた
天野さんのとった イルカたちの 写真をながめる。
ほわーっと しあわせな気持ちが よみがえる。
でも それは その時だけ。
身体のおもさと 戦いもだえながら 布団をたたんで 荷造りだ。
うだうだ 荷造り していると
突然 ドアをたたく音が!
こんな朝に わたしたちの 部屋に
だれだろう?
あけてみると アニではないか!
「おはよう! いまから モーニング食べにいってくるからー」
挨拶にきてくれたんだ。 うれしい。
「きのうもらった音楽きいたよ。 アニすきだった。 アニは三線やってて 沖縄の音楽とか好きなんだけど メロディーが すこし沖縄的なものが はいってた感じがしたよ」
沖縄的というのは 自分では わからないけど
なんだか うれしかった。
お酒で たぷんたぷんの まだ あかい顔のまま
アニと一緒に 記念撮影をして
握手して お別れする。
珈琲が 胃袋を 通過した頃
非常に気持ちわるくなり トイレに吐きにゆく。
飛行機は11時50分。
11時には空港に つけばいいだろう。
8時半にここをでて ユタ神様におそわった 海岸で砂をいただくこと
それが わたしたちの 最後の仕事だ。
しかし この 二日酔いで 神様に砂をいただくなんて …
すこし 罪悪感もありつつ
それも 自然な流れかと おもいなおす。
まやさんが 元気で たすかる。
あづま家の おかあさんに あいさつして
車にのりこむ。
「いってきまーす」
そう挨拶すると
「いってらっしゃい!」
と おくってくれた。
外は雨。
地図をみながら 空港方向へ向かおうとすると
すぐそこに 見覚えのある車が!
そうだ 昨夜のんで Jさんを送ったのは ここの駐車場だった。
「Jさんまだいるよ! おもしろすぎ!」
「おこしてこようか!」
そこに 車をとめて
Jさんの車のまどをたたく。
朝の光の中で きのうのJさんだ。
目がはんぶんとじてる。
「大丈夫?わたし吐きそう」
「おんなじ感じだー」
とOS1 (脱水症状に効く二日酔いのときにわたしもよくお世話になる 生理食塩水的なドリンク)を かざしてみせる。
「準備万端だあ」
みんな それぞれ すこしずつ 日常に もどってゆくのね。
そのまま 別れをつげて
車で空港のほうへ向かう。
オエオエしている わたしの横で
元気な まやさん たのもしい。
途中 薬局によってもらい わたしもOS1を買い
そこでまた トイレで 吐く。
すこしずつ だして すっきりと していくのだ。
薬局をでた後
おおきなスーパー ビッグ2によってもらい
どうしても ほしかった うわさの まめぽっくりを ゲット。
そうこうするうちに だんだん 時間が せまってくる。
わたしたちは 海で砂をいただかなければ。
スピードをあげて 海にむかう。
空港へむかう道路。
カーラジオから 奄美のミュージシャンの 音楽がながれている。
なんだか この奄美から でるのが さみしくって 涙が でてくる。
まだ 酔ってるのかな。
だいたいこのあたり…かな というところで 集落にはいり 砂浜にでる道をさがす。
グレイの空 ゆるい風 ふりつづく雨。
傘をさして すすきをもって 浜にでる。
雨の海も 好き。
ぼんやりと みどりとグレイがいりまじって 胸の中にはいてくる。
まだ少し のこっていた オエオエを
落ち着かせてから
海に対面する。
ユタ神様に おしえていただいたようにして お祈りして
それから 砂を すこしずつ いただく。

ありがとう。
紛れもなく 海の神さまが そこに いらっしゃるように 感じられる。
雨の日も 晴れの日も どんなときにも
そこに たしかに いらっしゃる。
それから 走って 車にもどり
急いで空港へ。
11時過ぎ なんとかぎりぎり 到着できた。
チェックインする前に トランクをあけて 荷物をまとめていると
なんと そこに
Kにいちゃんが!
「おみやげ」
といって
わたしたちに ひとつずつ おみやげの 袋をわたしてくれる。
そういえば きのう
「飛行機何時?」
という話をしたが
こんな1時間もかかる 空港まで おくりにきてくれるなんて びっくり 感激だ。
ありがとう!
握手をして そこで お別れする。
チェックインして 荷物もあずけて
11時25分。
保安検査場の前に 鶏飯ラーメンというお店があった。
二日酔いの胃袋が 塩分の入った汁物を たまらなく 求めている。
「最後に 鶏飯ラーメン たべたくない?」
「たべたいねえ…」
時間はぎりぎりだったが もう身体は店にはいっていた。
お店の人たちは 大阪では考えられないくらい のんびりとしている。
すこしあせる わたしたち。
お店の人に 搭乗時間をつげて すこし急いでもらう。
そして ありついた 鶏飯ラーメンの おいしいこと!
胃にしみる やさしい おだしのスープ〜!

今たべたいものが たべられる しあわせ。
お店をでると 保安検査場が行列になってる。
すこしあせったが どうやら 飛行機がおくれているらしい。
まわりをみわたすと 見送りにきている人 見送られる人 感動の 別れのシーンが そこここで 繰り広げられている。
大阪では この光景は 信じられない。
まやさんが
「奄美の人は 余裕があるから ホントに大切にしたいものを 大切にできるんだね」
と つぶやく。
ほんとに そうかもしれない。
ほんとうに 大切にしたいものを 大切にできる しあわせを おもう。
帰りの飛行機
まやさんとは 別々の席。
鶏飯ラーメンのおかげで 二日酔いもずいぶんおちつき
目をとじると
さっき 最後にあいさつをした 雨の海の映像が
ずっと 頭の中で ゆれていた。
あっというまに 伊丹に到着。
伊丹空港は こぎれいで りっぱだけど
奄美空港のような 人間の熱気はなく
ああ そうそう この都会の感覚…。
もどって きてしまった。
ここから
まやさんとは 別々のバスと 電車にのる。
バス時間まで 別れがたく
喫茶で お茶をのむ。
まやさんが わたしの バスまで おくってくれる。
バスの窓から みえる まやさん。
大阪の春風の中で にこにこして 手をふっている。
一緒に旅できて よかった ありがとう。
お互い それぞれの道を また がんばろう。
ときどきあって 確認しよう。
大阪は ちょうど 桜が 満開なんですって。
また大阪の 生活が はじまる。
これから どうなっていくのかな。
わからないけれど とても たのしみ。

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