へそおもい

2011年07月28日(木) とんがり

おちつかない。

とんがりの先が
胸のなかを
内側から
ついてくる。

トントントンと
ついてくるので
おちつかない。

なにを
あばれているのだ。


ぶあつい雲が
おしあいへしあい
空をながれてゆく。

とんがりを
ひっこぬいて
目の前の沼に
すててしまいたい。


でも
そうしては
いけないような
気がして

なにもできないで
いる。


足元に野の花が
ふんわりしている。

いいにおいの霧が
たちこめる。

そうだった
ここはお花畑だったのだ。


ぼくは
淡いいろいろの
野の花たちに
かこまれて

ぼんやりして
いたのだった。


息を吐いて
息をすって
息を吐いて

霧のにおいは
もりをとおってきた
においだ。


木のにおい。
沢のにおい。
岩のにおい。
苔のにおい。
土のにおい。


息を吐いて
息をすって
息を吐いて。


いつしか
とんがりは
ねむりについて

穏やかな
ねがえりをうつ。


 < pre  index  next >


はたさとみ [MAIL]

My追加