空色の明日
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2002年06月27日(木) 風景画

ひさしぶりに阪神電車に乗った。
六甲アイランドにある小磯記念美術館に行ったのです。
小磯良平は神戸の人で、私の実家のすぐ近所に住んでたこともあって
昔からなんとなく馴染み深い画家です。

私が秘書をしていた時には、私が座っていた受付の後に彼の描いた絵が
飾られていたほどです。

それはいいとして、今日はそこで向井潤吉の作品展がありました。
私は風景画が嫌いでした。
だって風景はあまり動かない物として認識していたので、そんなものを
絵に書いてもあまり人を揺り動かすような作品なんてないんじゃないかと
そう思っていたんです。

でも今日彼の作品の中の1枚の前で不覚にも涙が出そうになりました。
それは春の夕暮れの川沿いにある1軒の古い日本家屋の絵です。
もともと彼は日本家屋を描くことで有名ですが、その作品は
夕焼けと桜で絵全体がピンク色に輝いていました。

そこで初めてわかったんです。
風景画と言うものは、そこに気持ちを描きこめるかどうかでその人の
力量が表れる物なのだと言うことが。

実際、私はその絵を見た時、
花咲き誇る春の夕暮れに
「ああ、春が来た。何て気持ちのいい1日だったんだろう。
この気持ちをしばし噛み締めていよう・・・」
と立ち止まった時の気持ちが
この初夏の暑い日に蘇ってきたのです。

あの感動をたった1枚の絵で呼び起こすことができるなんて。

他にもいろんな気持ちや匂いや音を呼び起こさせるような作品が山ほどありました。
この小磯記念美術館では8月18日まで見ることができますし、
関東の方は世田谷にある向井潤吉アトリエ館でも見ることが出来ます。
ぜひおすすめします。


ところで阪神電車の駅に「御影(みかげ)」という駅があります。
子供の頃この近くに住んでたんですが、そんなことはすっかり忘れて
自分にみかげという名前をつけてしまいました。
(これは吉本ばななさんの「キッチン」から拝借した名前ですが)
たまに阪神電車に乗ると車内アナウンスで「次はみかげ〜みかげ〜」と
言われてドキリとします。
名前をつけたばかりの頃はあまり自覚がなかったのでそんなに
驚きませんでしたが、今日はかなりドキリとしました。
だいぶ自分の名前になってきた気がします。


安藤みかげ