空色の明日
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2001年01月08日(月) 伝説のコンビニ 3(最終回)

今日は雨かとおもいきやちょっと白いものもチラチラ。
みぞれというやつでしょうか?
いくら西日本とはいえ、冬は冬。
伝説のコンビニのゴミ置き場(といってもこの店からゴミなど
出るはずもないのだが)の横にはこんな季節冷たくなった
元人間が転がる事もしばしば。
コンビニの敷地内に、年にそう何回も死体が転がるなんて
やっぱりそこは伝説のコンビニ。


いくら伝説の店長とはいえ、オープン初日は誰でも新米。
昼間はなんとかスムーズにクリアしたが日が暮れて
あたりが真っ暗になってからふと表の方を見ると
何やらキラキラ光る小さなものがたくさん宙に浮いている。
それは時間を追うごとにどんどん数を増す。
よくみると闇の中で大勢の人間がこっちをじっと見ているのだ。
その数はどんどん増えている。
いわば荒野で焚き火をしている旅人を遠巻きに囲む
狼の集団。
さすがに店長もSVもみんな
「明日はこの店、なくなってるかもしれない」と思っただろう。
しかしなんとか無事に店は存続された。
但し営業はよる11時までである。

伝説のコンビニ担当になったSVも命がけ。
店で打ち合わせが終わって表に停めた会社の軽自動車の中で
ちょっと書き物をしているとなーんか視線を感じる。
ふと周りを見るとなんと車の窓にびっしり人が貼り付いているのだ!!
それも1人や2人ではない。窓全面びっしりだ。
「やられる!!」と思い、藁にもすがる思いで店のほうを振り返ると
伝説の店長が何やら手に持って飄々とやってきた。
車に近づくと貼りついた人間たちに100円玉を1枚づつ
与えている。
それと共にザーっと音を立てるように彼等は消えていったそうだ。
「ありがとうございました。助かりました」と胸を撫で下ろすSVに
店長一言「これも必要経費やからな」(ニヤリ)
かっこいいーー!!!とSVが思ったかどうかはわからないが
今一度いう。ココは日本、大阪市内だ。(しつこいよ)

私の知っている伝説はここまでです。
この店がなぜ閉店してしまったかは私も知りません。
店長が「こんな店やってられるかー」と言ったか、
それともこんな街にも不況の波が押し寄せたのか
それはわかりません。
でもおそらくこの街に今後コンビニなど作ろうと言うような
無謀な人間はおそらく現れないでしょう。
そして店は閉店しても闇の中で明かりを灯していたそのコンビニの
伝説はいつまでも私の心の中で明かりを灯し続けるでしょう。


おまけ
釜ヶ崎ではコンビニの賞味期限の切れた弁当類が1つ100円前後で
販売されている。
もちろん路上でである。
一時期うちの店にも来ていた。
自転車の荷台に発砲スチロールの保冷箱をくくりつけたおっちゃん。
ゴミを捨てようと店の裏に行くと闇に何やらうごめく人影。
驚いて凍り付いていると
「毎度お世話になってます」とお辞儀された・・・。
「ちゃんと片付けていってよ」としか言えなかった(笑)
そのおっちゃんも今は現れない。生きてるんだか・・・。


安藤みかげ