紫
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首筋に「ほくろ」があります。
生まれたときからかどうかは定かではありませんが、少なくとも3〜4歳のときには、はっきりとそこにありました。
「首にほくろがあると衣装持ちなんやで」
幾度となく、祖母は私に言いました。
祖母だけでなく、母や母の兄姉のほとんどは、私を見るたびに、同じことを言いました。
きっと、祖母が子どもたちに口癖のように言い伝えてきたことなのでしょう。
信憑性はどうであれい、祖母の影響もあってか、母の姉妹たちはすべて洋裁学校に入り、母以外の姉妹は今も洋裁で家計の一部を営んでいます。
職にこそしていませんが、母も兄や私の着る服やセーターを手作りしてくれていました。
私といえば、手作りの服を着ていることが、とてもとても誇らしくて………。
きょう、すその破れかかったシャツを着ました。
どうせ上からフリースを着るから、破れかかったところは見えません。
でも、ちょっと気になったので、すそに目をやると、なんとどこにも破れたところはありません。
「あ………」
よく、よく見ると、手縫いでていねいにていねいにほつれたところが繕われていました。
「………。」
忘れていた「思い」がイッキにこみ上げてきて、むしょうにセンチメンタル。
母の前では、私はいくつになっても「子ども」です。
おやすみ。
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