紫
|MAIL
目次|過去の日記|未来の日記
ひらひら、ひらり。
ふわふわ、ふらり。
季節外れの白い蝶々が、飛んできました。
ひらひら。
ふわふわ。
側にいる人に蝶々の訪問を告げると、こういいました。
「あいつかもしれない」
その瞬間、その季節外れの蝶々は、どこかいとおしい存在になり、そして言葉もなく蝶々に語りかけていました。
「あっちだよ。あっちに扉があるよ」
そうつぶやいても、蝶々は一向に外に出ようとせず、それでもやはり弱ってきているのは目に見えていました。
最初は元気よく飛び回っていたけれど、だんだんと力尽きてきたようで、でも、どこかに止まって羽を休められるような場所もなく。
このままだともう弱り果てて動かなくなるかも………、あっ………。
そんな心配をよそに、「あいつ」の父が蝶々をやさしくつかまえて、外に逃がしてやりました。
逃げた蝶々は、すぐ外のレンガの壁に舞い降りて、しばらく羽を休めているようでした。
たった5〜6分のできごとだけど、胸が熱くなったり詰まったり、ちょっとうれしかったり。
白い蝶々、ありがと。
目次|過去の日記|未来の日記