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2005年01月24日(月) 全身で読む

私の好きな村上春樹さんの小説は、料理や音楽がたくさん出てきます。
彼の小説はいつも音楽が流れているし、おいしそうな匂いが、本からあふれでてきているように思います。
音楽はクラシックであったりジャズであったり、料理であればスパゲティであったりサンドイッチであったり。

遠くではないけれど、近くにもなかったものが、彼の小説を読んで身近な存在に変わった人が数多くいると思います。
もちろん私もそのひとり。

スパゲティをアルデンテにゆで、サンドイッチをていねいに作り、小説に出てくる新宿の「ダグ」というジャズ喫茶に入り、「イパネマの娘」や「ダニーボーイ」がどんな曲か確かめ、彼の歩いただろう通りを歩き、「好むと好まざるとにかかわらず」や「やれやれ」というセリフをよく使うようになり、「つるりとした背中」に憧れを抱き…。

そのなかで、いちばん強く影響を受けたのは、ビートルズでしょうか。
「ノルウェイの森」という小説のなかで、ビートルズの曲がたくさん出てきます。

小説の最後で、ビートルズの全曲をギターで弾き語る、というシーンがあります。

「この小説の音楽を聴きたい。ノルウェイの森をもっと深く読みたい」

それから、ビートルズを聴き始めました。
いまだにこの小説がなぜ「ノルウェイの森」というタイトルになったかは、よくわからないけれど、彼の言葉のひとつひとつをたどるうちに、いつしか五感をフル活用して、彼の小説を読むようになっていました。

全身で小説を読む。
「それって素敵なことだと思わない?」

そんなふうに、生活自体に影響を受けた小説家がいるっていうことも「悪くない」と思っています。


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