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2005年01月10日(月) 振り袖とピアノ

今日は各地で「成人式」が行われたようです。
昔よりも振り袖姿の新成人が少なくなったように思うのは、気のせいでしょうか。

私の故郷は、田舎ということもあり、ほとんどの女性は振り袖を着て市民ホールに集まり、洋服で行くのが少し恥ずかしいような感じでした。
私も振り袖を着て、高校時代の友と集まりました。
ピンク色の下地に桜の花が散りばめられていて、祖母曰く「流行にあまりとらわれない柄」とのこと。着物にも流行があるのだと、そのとき知りました。

その振り袖は、私が小学校のころに父がもらってきた反物で、私が大学に入った年に、祖母が仕立ててくれました。
成人式に振り袖を着ることをあきらめていた私は、涙が出るほどうれしかったのを覚えています。

その反物は、父の仕事の取引先が倒産し、家財道具を売りに出したときにもらってきたものでした。
子どもながらにその反物の持ち主について、思いを馳せざるをえませんでしたが、そのほんの数年後、自分たちが同じ境遇に立つことになるとは、当時は思ってもみませんでした。

そのとき、約10年間、叩き続けたピアノは、反物と同じように売りに出されたと聞きましたが、あの騒動のなか、いつ、どうやって持ち出されたのでしょうか。その反物は祖母のところにずっと保管されていた様子。
そして、祖母の手によって見事に振り袖に仕立てられたのでした。

母が、知人の呉服屋に頼んで、オレンジ色の帯を仕立ててくれました。
帯に合わせて、カバンと靴はその呉服屋さんがプレゼントしてくれました。

いろんな人の手を巡りに巡って私のところにやってきた振り袖を着て1月15日の朝、祖母がうれしそうに成人式に送り出してくれました。

いろんな人に感謝せざるをえなかった成人式の日。
私の愛したピアノも、こうしてどこかの子どもが喜んで弾いてくれていたらいいな、と、その日の夜、着物をたたみながら思いました。

おやすみ。


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