紫
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学生のころ。
貧乏だった私に「ちょっとしたぜいたく」が、いくつかありました。
たとえば、古本屋で本を買いあさること。学食で360円のラーメンを食べること。
なんにもない部屋に花を飾ること。友から来た絵はがきを壁に貼り付けること。
それから、喫茶店に入ってメニューを見ずに、「コーヒーとトースト」と頼むこと。
トーストがメニューに載っている喫茶店は、あまりありません。
ないけれど、だいたいの店は、トーストを出してくれます。
19、20歳のころの私の小さな冒険でもあり、「都会人」の仲間入りをしたようなちょっとしたぜいたくでした。
そんなぜいたくを楽しんでいるときに、偶然、観た映画があります。
「ティファニーで朝食を」
ニューヨークにある宝石店「ティファニー」の前で、毎朝、ショーウインドウの宝石を眺めながら、カフェで買ったコーヒーとパンで朝食をとるコールガールのホリー。
ティファニーに憧れていた彼女にとってみれば、その時間が最高にぜいたくな時間だったのでしょう。
私と同じような「ぜいたく」を楽しんでいたんだ。
映画を観終わったあとに、そんなことを考えて、ちょっとうれしくなったのも、また「ぜいたく」。
今も、朝、コーヒーを飲んでいるときに、ふと「ティファニーで朝食を」の冒頭のシーンを思い出します。
それもまた、ちょっと「ぜいたく」な気分にさせてくれるのです。
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