紫
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南に面した部屋に窓が2つ、あります。
1つはキッチンに、もう1つは、父がいつもゴロゴロしている部屋にあります。
夏のあいだは、開けっぱなし。
ときどきいい風が入ってきて、カーテンを大きく揺らします。
先日、父が休みの日。
いつものように、父は窓を開けてゴロゴロと寝ていました。
窓にかかっているレースのカーテンが、ふわりふわり、と揺れて、見るからに気持ちよさそう。
きっとキッチンも気持ちのいい風が入ってきているはず。
私も自然の風にあやかろうと、テーブルに座ってお茶を飲み始めました。
ん…?
待てども待てども、風は入ってきません。
キッチンのカーテンは微動だにしません。
でも、父のゴロゴロしている部屋のカーテンは、さっきと同じように、ふわり、ふわりと気持ちよさげに揺れています。
なんとなく昔、見たホラー映画を思い出し、少しの「恐怖」を感じているところに母がやってきました
「ほら、あっちの部屋、いい風が入ってきてるなあ。気持ちよさそうやなあ」
ふむ。これはいつもの現象なのか。
きっと気流の関係で、あっちの部屋が風の通り道になっているのかも。
そんなふうに妙に納得してベランダに出ると、なんとそこには、扇風機が出されていました。
「………」
あっけにとられて、何もいえないままの私に母が一言。
「あほやなあ」
「……………………」
ますます何も言えなくなったある日曜日のできごとでした。
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