椰子の実日記【JOYWOW】
2007年12月29日(土)
WALDEN

『Blessed Unrest』は環境問題をテーマにしている。 ホーケンは歴史を振り返りながら、地道に説き起こして いく。その中で、ヘンリー・ソローの再評価がなされ ていて、代表作『ウォールデン 森の生活』も触れ ている。タイトルは知っていても読んだことのない 作品であり、ぼくはホーケンが言及している本は 可能な限り入手し、目を通すようにしているので (翻訳に時間がかかる理由の一つだ)、何種類か ある翻訳書を検討した結果、写真の小学館版、 今泉吉晴先生の手になる新訳にした。正解だった。
今泉先生は、本書を2年がかりで翻訳し、4年かけて 考証と推敲した由。都合あしかけ6年の作品である。 それだけの価値は充分すぎるほどあって、早くも 座右の書になった。
それにしても『ウォールデン 森の生活』の初版は1854年。 明治維新の14年前の書物であり、大統領はリンカーンより 2代前のピアース(って知らないよ)、南北戦争の7年も前 である。そんな時に、ソローは物質文明から距離を置くため、 ウォールデン池ほとりに小屋を建て、移り住んだわけである。 当時の物質文明とは基本的には農業を指している。
ホーケンは言う。
私に言わせれば、ソローの文章は、活動家の歩く 道先を照らす、優れた指針となるものである。
Exactly. I agree.
そういえば、ホノルルのど真ん中にあるぼくのお気に入り のブックストアの名前が「WALDEN」だ。ぼくはこの書店で Tom Peters師匠の本やらテープやら、一杯買っている。 ちょいとググッてみると、WALDENは84年にKマート、その後 94年、ボーダーズに買収されている。資本主義、やーねえ。
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