| 2011年11月13日(日) |
(SS)イマドキの傾向 |
「イマドキって三ヶ月持てば良い方なんだってよ?」
ぱちりと石を置いた後、進藤が何気無いふうにぽつりと言った。
「何が?」 「レンアイ。一ヶ月、二ヶ月は当たり前で、三ヶ月持てば長い方って言ってた」
その、言っていたのが誰なのかわからないけれど、きっと彼の友人の誰かなんだろうなと思った。
「へえ…早いね」
そんなに早く人を好きになって、嫌いになって、そして別れて次に移る。そういうことに疎いぼくには全く信じられないことだった。
「だったらおれってすごくねえ?」
少し考えた後、彼の石を封じるように自分の石を置き、ふうと息を吐いたら進藤が言った。
「何が?」 「何って、最初に会ってからずっとだもん」
こんなに長い間、ずっとおまえのこと好きなおれってなんだかとってもすごく無いかと言われて頬が染まる。
「…そんなことは無いんじゃないかな」 「えー? なんでだよ」 「だってぼくも…」
だってぼくも出会った最初から今に至るまでずっとキミのことが好きなんだからと言ったら、今度は進藤が頬を染め、それから黙って長考に入ってしまったのだった。
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バカっぷるに祝福あれ!
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