SS‐DIARY

2004年04月16日(金) (SS)あさきゆめみし+20万ヒット+おめでたいこと

夢を見た。

あまりにリアルで違和感が無くて
だから目が覚めてもしばらくは、それが夢だと気が付かなかった。


いつものように、いつもの席で、ぼくと彼は打っている。

石の音も感触も

碁会所の中のざわめきも、何も以前と変わらなくて、「塔矢」と呼ばれて嬉しくなった。


「塔矢、おまえ打たねーの?」
「ごめん、考え事をしていたから…」


一手、一手、考えながら盤上を見る。

ただそれだけの、でも他に変えようも無い幸せな時間。


軽口も

くせも

話すときの間も

居る時の空気さえ

自分は覚えてしまっているのだと。


失った今、無意識に再構築してしまうくらい、彼の全てを覚えているのだと。

夢から覚めてそう悟り


自分はバカだと改めて思った。



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