| 2004年04月05日(月) |
(SS)愛はさだめ さだめは死�� |
壊してやろうかと思った。
おれのものにならないなら、滅茶苦茶に傷つけて砕いてしまおうかと思っていた。
ずっと欲しくて欲しくて欲しくて そればかり考えてきたもの。
他の誰かのものになるのを見るくらいだったら自分の手で壊してしまえとそう思っていた。
それが。
思い詰めて言った言葉にあいつが柔らかい笑みで返してくれた時、間違いだとわかった。
傷つけるなんて絶対にできない。
あの柔らかい肌も、涼やかな声も、切なげに寄せられる眉の一筋も自分は傷つけることなんて絶対に出来ないとそうわかったのだった。
例え自分がそれで傷ついても 例えそれで死ぬようなことがあっても
考え得るどんなことがあっても、おれはあいつを傷つけられない。
「キミが好きだ」と囁いたあの声を失ったらおれは生きてはいけないのだと。
胸が痛くなるほどの思い。
愛するということがどんなことかおれは知らないけれど、堪えても堪えても溢れてくるこの感情が「愛する」ということなら幸せだと思った。
「ぼくだけを見て」 「ぼくだけを愛して」
あいつはそう言ったけれど、そんな言葉ではとても足りない。
他の誰も見ずに、おれだけを縛って。 他の誰をも欲しがらずに。 おれの腕の中だけで乱れて。
くれというなら全てをやるから。
おまえでおれを縛って欲しいと、しなやかに反る背を抱きしめながら、おれは心の底から願ったのだった。
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