息抜き小咄その2
2005年07月26日(火)
□ It's a matter of taste こぼれ話 □
「おいで、サンジ」 口元に笑みを浮かべて、エースがサンジに向かって手を差し伸べる。
シャワーから上がって、とりあえず足を突っ込んだだけ、って感じで中途半端にジーンズのジッパーを上げて、ボタンは止めてない。 まだ濡れている髪の毛先から、裸の上半身に雫が滴って、パンと張った胸の筋肉を転がり落ちる。
どうしよう、エースがやらしい。 そんな姿で、「おいで」って。 目のやり場に困って、サンジは思わず目線を下げる。
一緒に暮らし始めてから一週間、サンジは未だ、エースと一緒に暮らしている事に慣れないでいる。 サンジの真性のゲイだ。 だけど、ノンケのオヤジ好きな性癖が災いして、これまで恋人と一緒に暮らした事なんてなかった。 エースは、サンジが初めて恋をした同年代の男だった。しかし、不幸な事にこれまたノンケ。 絶対に実らない恋だと思っていたのに、どうした事か、エースもサンジに惚れてくれたらしい。すったもんだの末、二人はめでたく恋人同士となったのだ。 そして現在、好きになったらイノシシタイプのエースは、サンジに盲目的な愛情を注いでくれている。 エースはついこないだまでノンケだったのが嘘みたいに、なんだかホンモノよりもホンモノっぽい。 世間の目を気にして生きて来たサンジにとっては信じられない事に、人前でも堂々と手をつなごうとしてみたり、あまつさえ、キスまで仕掛けて来るのだ。 ノンケって凄い…などと、最初は感心していたが、今じゃそれも通り越して、彼の堂々たるゲイっぷりに、タジタジなサンジだった。そのうちゲイパレードとかに参加しようなどと言い出すんじゃないかと、内心ヒヤヒヤしてる。
「どしたの、サンジ」 俯いてしまったサンジを引き寄せて、そっと髪にキスをする。 背中に回った手が、ラインを辿る様にゆっくりと下がって、小さな尻をきゅっと掴む。 「…あっ…」 「感じちゃった?」 耳元で囁かれて、本当に腰が抜けそうになった。
エースがこんなにやらしいなんて、知らなかった。 こんなことになるまで、ずっと好青年でございます!って顔してたくせに。 俺が嫌がったら、指一本触れないくらい理性的だったのに。
サンジの身体の中で、彼が唇や手で触れていないところなんてきっと無い。 初めてセックスした日、「気持ちいいトコ全部教えて」なんて言われて、でも当然恥ずかしくてそんな事言えないでいたら、「じゃあ自分で探す」とか言って、ちょっと口では言えない様な事をいっぱいされた。恥ずかしくて死にそうになったけど、でも終いには気持ち良くて何がなんだかわからなくなってしまった。 「サンジ?」 あの日の事を思い出して、いきなり首まで真っ赤になったサンジに、エースは不思議そうな顔をする。 逞しい胸に顔を埋めて頬を擦り付ける。シャワーを浴びたばかりの彼の身体は暖かいはずなのに、火照った頬には、ひんやりと気持ちいい。 甘える様な仕草に、エースが嬉しそうにサンジの髪を撫でる。 気持ち良くてうっとりと目を閉じていたら、その手が項に廻されて、首筋が弱いサンジは、うひゃ、っと首をすくめる。 顔を上げたら、何か企んでる様な顔でクスクスと笑ったエースが、唇にキスを落として来た。 エースとするキスが大好きなサンジは、大人しく目を閉じる。 最初は戯れる様なキスが、だんだん熱っぽい物に変わる。 項を手の平で擦られて、先程のくすぐったいような感触とはまた違う、ゾクゾクとした快感が背筋を駆け上がる。 あからさまにセックスを匂わせて、エースが寄越すサインに、身体がどんどん熱くなる。 尻を掴まれて、きつく押し付けられたエースの中心は、もうとっくに硬く張りつめていた。
ああ、もう、心臓が爆発しそうだ。
エースとこれからずっと一緒に暮らすのだ。 自分の心臓はもつだろうか。 それとも、少しは慣れていくのかな。
不安と期待で一杯になりながら、サンジは今日もエースに身を任せるのだった。
---------------------------------------------------------------------
本当のこぼれ話。 なんか収まりが悪くて本編から削った話に手を入れました。
あんた、この大詰めの時になにやってんの、とお思いでしょう、んね!ガブもそう思います。 しかし現在ガブが一番苦手とする、行間を埋める作業中。 ガブは話を書く時、書きたいパーツだけガーーーッと書いて、その後間を埋めて繋げていくという書き方をします。文字書きさんてどうやって書いてるんだろ、すごく気になる。 まあそんな作業に飽きたんで、ちょっと小咄に逃げました。
◇メルフォお返事〜
◇Y花さん、ありがとうございます。とりあえず一本入稿です。本命はこれから。が、頑張ります。「顔面崩壊」、あの豆のやつですよね、あれもえぐい。「農協月へ行く」も思春期の少女が読むには結構エグいものがありました。えーとね、種明かしします?……痰壷……。あ、でも間違っても検索とかしない方がいいですよ。説明文読んだだけで吐きそうになりますから。マジで!ホントに!!忠告しましたからね(笑)。
◇Nナコさん、ご心配頂いてありがとうございます。地震は大丈夫でした。もうちょっとで棚の上から小さい人達が振って来るとこでしたけど、必死で押さえてました。風邪はなんだか一進一退です。でもなんとか入稿できそうな感じ!Nナコさんも今ラストスパートですか?頑張りましょうねー!ってお前は小咄書いてる場合かー!って言われそうだけど(笑)。あ、そーだ、サンディ2号ご購入おめでとうございます。
◇Yめのさん、取り置きですかー、ご希望とあれば取り起きますが、今回はオフって事もあって、前回の倍刷ってるので(む、無謀!)無くなる事はないと思いますが…。それでも念のため、ということであれば、無事入稿して詳細をサイトにアップした後にでも、メールにてご連絡下さいませ。
|