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気紛れ銀魂小咄<1>(えーっ!?)
2004年09月11日(土)

□ 気紛れ銀魂小咄<1> □


ある日の事、ここ万事屋では、従業員一同めずらしくお仕事に追われていた。
しかも何故か全員割烹着と三角巾着用で。

「ちょっと多串君、君なんで割烹着着ないのよ。困るんだよねー、そういうの。チームワークが乱れるじゃん」
「いつ誰がお前らとチームを組んだ」
いつもの万事屋メンバーに混じって車座になり、なにやら手作業をしながら銀時にガンを飛ばしているのは、何故か真選組副長、土方その人であった。そして彼等の目の前には、大量の段ボール箱。
「ちょっとそこで言い争いしてる場合じゃないでしょ!内職の造花10万本、明後日の納品に間に合わなかったらどうすんですか!」
そう、いささか台詞が説明くさいが、現在彼等は総力を上げて、内職の造花を作成中であった。
そして、何故にここで土方が万事屋の内職を手伝っているのか―――。
「いいのかなー、多串君、言う事聞かないと、あの事ご近所にいいふらしちゃおっかなー」
「貴様…」
勝ち誇った様な顔で言う銀時を、土方は屈辱に拳を震わせながら睨み付ける。その目付きの物騒な事といったら、気の弱い者なら、泣いて土下座しそうなくらいである。


そうなんである。
人手が足りなくて万事屋の面々がヒーヒー言ってるところに、丁度、市中見廻り中の土方が通りかかったのだ。
これ幸いとばかりに『真選組局長が、お化けが恐くて便器に頭突っ込んだまま失神していたと言いふらされたくなければ仕事を手伝え』と、銀時にむりくり拉致られて現在に至る。
先だっての幽霊騒ぎの時、『頭を下げるから黙っていてくれ』などと、うっかり弱味を見せてしまったのが運のツキ、何が悲しくて泣く子も黙る真選組副長様が内職の手伝いなんぞせにゃならんのか。
「しっかし健気だねー、そんなにあのゴリラが大事?」
「―――真選組の為だ」
自分で引っぱり込んでおきながらそんな事を言う銀時に、土方はそれだけ返して、むっつりとした顔でひたすら手を動かす。こいつらにわかって貰えなくてもかまわない。近藤と、隊のためなら、自分のプライドなど捨てても構わない。これが男、土方の真(まこと)の貫き方であった―――例え三角巾に割烹着姿に身をやつしていたとしても。

「しかし間に合うんですかね、コレ。後3日で残り8000本を作るって事は、一日に2千…」
「新八ィ、男が細かい事言ってんじゃねーよ。信じるんだよ、信じれば夢は必ず叶うんだよ」
「……こんな細かい仕事取って来た男に言われたくねーよ」
「信じるだけで夢が叶うなら、私今頃毎日3食卵かけご飯に「ご飯ですよ・江戸紫」かけて食べてるネ」
「……貧しいな、お前ら。身も心も」
「てゆーか、神楽、お前その食虫植物みてーな花どーやって作ったんだよ!?」
神楽の周りには、どうやったらこの材料を使って作れるんだっていうくらい得体の知れない植物が積み上がっていた。
「そういう銀ちゃんこそ、それバラじゃなくて梅干しみたいアルよ」
「全く、てめーらなんでそう不器用なんだ。俺のを見ろ」
バカにしたように言うと、土方が出来上がったバラを差し出した。
「あ…」
差し出したとたんにぼとっと落下した花に皆の視線が集中する。
「………」
「君たち、ここはもういいから掃除でもしてて?」




「ちくしょう、近藤さんの尻拭いじゃなかったらこんなこと…」
ブツブツ言いながら、土方はやる気なさげにあたりにはたきをかけている。
(んなまだるっこしい事してるより、いっそ奴を斬るか)と目をギラつかせる土方をじっと眺めていた神楽が、窓のさんを指で擦って、ふっと埃を吹いた。
「多串さん、まだここにホコリが残ってるアルよ」
「―――お前は意地悪な姑か。くだんねー事言ってねーで働けや」
凄む土方に顔色ひとつ変えず、神楽はふー、ヤレヤレとため息を付いて肩をすくめる。
「まったくうちの嫁は口ばっかり達者で、掃除ひとつまともにできやしない」
「誰が!誰の嫁!?」
なにやら強引に始まったホームドラマに銀時の突っ込みが入った。
「お前、今度はどこで仕入れてきたんだ、そんなセリフ」
「『渡る世間は鬼しかいねェコンチクショー』の、春江VSピン子―仁義なき嫁姑戦争―から抜粋」
「ろくなもんじゃねーな」
ケッと吐き捨てる土方に神楽が掴み掛かる。
「なんだとー!この鬼嫁ーーー!!」
「だから誰が嫁だーーーーーー!!!」
その時だった。
「土方さーん、やってますか?」
ガラっと玄関が開いて、聞き覚えのある脳天気な声がした。
「ゲッ、総悟」
土方の部下、沖田総悟であった。ニコニコと天使の様な笑顔で、ズカズカと室内に侵入してくる。
「おー、多串くんとこの。だめだよこいつ、不器用でしょうがねーや」
「お前が局長のネタまで持ち出して手伝えっつったんだろーが!!」
呆れたように言う銀時に、土方がキレた。
「大丈夫です。土方さんはやればできる子でさァ」
「子とか言うな!総悟!テメェも手伝え」
「やですよ、俺は別に近藤さんがヘタレだとか腰抜けとか評判がたっても痛くも痒くもねェですからね」
ニヤリと、むしろそうなったら楽しいと思っている事がありありと分かる笑顔で、総悟は言った。綺麗な顔してその笑顔は果てしなく黒い。
「…てめぇ、ここでハラ切るか?」
「やめて下さい。床が汚れます」
―――新八もこれで相当に腹が黒かった。貧しさは人を変えるのである。


「ちょいと、おたくの多串さんたら口ばっかり達者で掃除ひとつまともにできやしない。お里が知れますわよ」
「んなこたぁ亭主の銀時さんの稼ぎが人並みになってから言ってくだせェ」

「……両家の母親同志がうまくいってないみたいですね」
「どうも折り合いが悪くていけねぇなあ」
日本茶なんぞすすりながら、銀時と新八は完全にこのホームドラマの観客になり切っている。お前ら内職はいいのか。
「テメーら打ち合わせでもしてたのか!なんだよこのファミリー劇場はよお!」
皆、内職に飽きたのか、まったりムードの空気の中、一人真面目にキレてる土方はいっそ哀れだった。
「なんだよ白けるなー、多串君。ノリ悪いよー」
「場の空気を読めねーところが土方さんの悪いところでさァ」
謂れのない非難を受けて、土方はなんだかもう、怒る気力も湧いて来なかった。いや、君は間違っていない、間違っていないぞ、土方。
「……実家に帰らせて頂きます」
「おー、御苦労さん。明日もよろしくなー」
疲れ切ってヨロヨロと万事屋を後にする土方の背中に、銀時の間延びした声がかかる。


なんだかんだ言っても彼は明日もここにやってくるのだろう―――彼の真を貫くために。


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はァい、みなさん、ここはUCさんのホームページですよー。

いや、思い立って銀魂小咄を書いてみました。
セリフばっかダラダラ書いて、まともな文章にすらなって無いけど…。なんかね、ノリで。
銀魂ファンの方、怒んないでー。

ガブさん銀魂に行っちゃうの!?とかご心配は無用ですぞ(あ、してない?)。
年寄りはしつこいですからね。おばちゃんはずっとずっとサンジちゃんに付きまとって離れないよ(止めい)。

…<1>って事は続くの??

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