ギンサン小咄
2004年08月06日(金)
こんにちは、最近口ばかりのガブです。
キジサンSMプレイが書きたいだの、あくまでかっちょえーギンサンが書きたいだの、ウソサンであんなこともこんなこともだの、パウサンでロリロリサンジちゃんをロープアクションでお仕置きーだの、ルッチさんの腹話術プレイ萌えーーー!!って言葉の響きだけで萌えとか言ってるが、そりゃ一体どんなプレイだよ!とか(ルッチさんにシブくあれこれイタされてる枕元で、「ココガエエノンカ?ン?ン?」とか腹話術のハトに言われてしまう、ある意味羞恥プレイか?)言っておきながら、何一つ形になっていないことに気付きました。 そんな己に反省の意味を込め、一番反応を頂いたギンサンをチラっと書いてみた。 …いや日記の小咄程度ですが、許して下さい…。
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思ってもみなかった場所で、雑踏の中に懐かしい姿を見つけた。人込みをかき分けて、その後ろ姿に弾んだ声をかける。 それなのに振り返った彼は、無表情のまま身動きもせずに、ただサンジをじっと見返したまま立ち尽くしていた。まさか自分の事を忘れたんじゃ、とサンジが不安になり始めた頃、彼はようやくかすかな笑顔を見せて言った。 「久しぶりだな―――サンジさん」 ギンの顔に浮かんだ不可解な表情、しかし、一瞬後にはそれは跡形も無く消え失せた。 「やっぱり、麦わらの人と一緒に来たんだな」 そう言って穏やかに笑うギンの笑顔は、純粋に再会を喜んでいる風にしか見えなくて、サンジは小さな戸惑いを胸の奥に追いやった。
ここに滞在して1ヶ月になるという彼が、市場を案内してくれた。 買い物などの用を足す間のほんの短い時間ではもの足りず、彼に強請って翌日も、その翌日も付き合わせて街のあちこちを一緒に歩いた。
ギンは落ち着いた低い声で、穏やかに話す。 静かな男だった。あの狂気と紙一重の様な戦い方をする男とはとても思えない。 はしゃいであちこち連れまわそうとするサンジに、嫌な顔ひとつせずに従う。どんなにワガママを言っても、理不尽な事を言っても、ただ笑って言う事を聞いてくれる。
ギンはサンジの事をまるで大事な大事な客人であるかのように扱った。 それがサンジにはどうにも気に入らない。 丁寧な仕種と口調で、一線を引いている。そんな気がしてならない。 よくわからない苛立ちを感じて、サンジは唇を噛む。
サンジにとって、彼は特別な存在だ。 「腹が減ってるやつには食わせる」というのがサンジの常日頃の口癖だ。だから、ギンが言うように、自分が彼の命の恩人だなどと、思い上がった事を考えている訳じゃ無い。サンジはただ、己のポリシーに従ったまでだ。 それでも、自分の作った料理があの男の体をめぐり、死にかけていた細胞を再生させた。そう思うと、彼に対する妙な思い入れが芽生えてくる。尤も、こうして再会するまで、そんなことは考えてもみなかったのだが。 今思えば、あの時自分とルフィを庇って死にかけた彼をどうしても死なせたくなかったのは、そんな思いがあったからなのかもしれない。 あの日、バラティエでギンと命のやり取りをした。生かそうとし、殺そうとし、自分達は互いに必死だった。感情をむき出しに、まるで恋しているみたいにお互いが近かった。何も言わなくとも、相手の想いが手に取るように伝わって来た。
なのに今、隣にいるこの男は、とても遠い。 今のギンは、サンジを冷たく突き離す。
「明日、出航なんだろ?」 「―――ああ」 すっかり日も落ちて、人気の無い港までギンは送ってくれた。 「もしかしたらもう二度と会う事も無いかも知れないが―――元気で」 静かな声でそう告げるギンに、サンジは何か言いかけて、結局何も言わずに口を閉じた。 「あんたに受けた恩は一生忘れねぇ。どこにいても、あんたの無事を祈ってるよ」 差し出された手を、サンジは無言で握り返した。 どれくらいそうしていただろうか、ギンの手を握ったまま、眉間に皺を寄せて俯いていたサンジが顔を上げた。 「ギン―――なんか…苦しい」 「サンジさん?どう…」 「苦しい。お前といると、ここが―――ぎゅってなる……何とかしろよ」 言いかけたギンの言葉を制して、サンジは自分の胸にきつく握りしめた拳を押し当てて彼を睨み付ける。 ギンの顔に、またあの不可解な表情が浮かぶ。 最初はわからなかった。彼のあの表情の訳も、それを見て自分が何故苛つくのかも。 だけど、今なら分かる。 「なんでそんな目するんだよ!!」 突然のサンジの剣幕に驚いたように軽く目を見開いて、それでもギンは淡々と返す。 「あんたを不快にさせたなら、すまない。もう行くから…」 「バカ!あほ!鈍感!お前のせいだけど、お前じゃなきゃ直せないんだよ!」 「サンジさん…?」 困惑したように立ち尽くすギンに苛ついて、サンジの感情はどんどん昂って行く。 「考えろよ!俺が何を欲しがってるか、考えろよ!」 「―――サンジさん」 真直ぐ見つめてくるサンジの目に、ギンの表情に始めて動揺があらわれた。まるで何かを恐れているような顔をする。 「―――なんで怖がるんだよ」 「サンジさん、あんたは俺にとって神様みたいな人で…」 「神なんて信じて無いくせに」 「バレたか」 睨み付けるサンジに苦笑して、ギンは続ける。 「だからつまり、俺の信仰の対象はあんただけってことさ」 「神様なんてクソだ。そんな遠くにいて触れられもしない存在、意味ねーよ」 一歩踏み出すサンジに、ギンは僅かに身体を引くそぶりをみせる。恐らくは無意識のそんな仕種に、サンジは唇を噛んで、傷付いた顔をする。 「お前は何もかもあきらめた顔で俺をひとりにする。そうやって俺を置き去りにする。俺の気持ちなんてお構い無しだ。なんだよ、ご大層なこと言ってるくせに、俺の事全然大事にしてねェじゃん」 俺はこんな堪んない気持ちのまま、座り込みたいくらい足もともフラフラなのに、目の前にお前がいて、それなのに――――。 ギンのウエストに両腕をまわして、身体を寄せる。 「サ、サンジさん?」 「……抱き返してもくんねーの?」 肩に額を押し付けて掠れた声で言うと、ギンの手が躊躇う様にサンジの肩に添えられる。かすかに震えているのは気のせいだろうか。 「…もっとちゃんと」 「サンジさん…」 困惑したような声。 ギンの手が、恐る恐るといった様子で背に廻された。震える息を吐いて、そっとサンジの頭を抱え込むと、恭しく髪に唇を押し当てる。 望んだ通りの状態なのに、何故かますます胸が苦しくなった。 だけど、今度は支えてくれる腕があるので、サンジはギンに身体を預け、ようやく身体の力を抜いて、ほう、とひとつため息を付いた。
------------------------------------------------------------------------------ うーむ、うーむ…ギンが…かっこ悪い…(汗)
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