小咄2
2003年10月08日(水)
ランチミーティングと称して、経費で豪勢な弁当を食いながら、雑談の様な会議をする。 そんなおっさん達のお楽しみに付き合って、無駄な時間を過ごした今日一日。
いいかげんいつまでもダラダラと結論の出ない(出す気の無い?)話を聞いていたら意識が遠のきはじめたので、眠気を覚ますためにサンジとエースの恒久的な幸せとは何かを考えてみる。
別々の海賊船に乗って、同じ海賊王の座を狙っている別々の男に心酔している二人に果たして幸せな未来はあるのか? まさしくロミオとジュリエットな二人ですが、悲恋は嫌です。幸せになってほしいんです!
そしてもちろんサンジちゃんは腐っても男子です。……いやゴメンサンジちゃん!言葉のあや!腐ってなんか無いよ!君はピチピチでフレッシュな男の子だよ!ナイスバディでその上初々しいいたいけなナインティーンだよ! ………話が逸れましたが、そう、男たるもの夢を途中で投げ出してはいけません。 だからとりあえずはオールブルーを探しましょう。 そんなわけでこんなんどうでっしゃろ。
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巨大ガレオン船が近付いてくる。 その旗印には見覚えがあった。 ルフィの兄、エースが所属する白ひげ海賊団のマークだ。 攻撃してくる様子は無い。 メリー号のクルーは船首に集まって相手の出方を見ていた。
良く見れば船首に腕を組んで立っているのはほかならぬエース。 「……エース!!」 エースの姿を確認し、サンジが思わず2、3歩前に出る。 この二ヶ月程エースから全く音沙汰が無くて不安だったのだ。 「待って、サンジくん!」 そんなサンジをナミが制止する。 エースがサンジに会いに来る為にわざわざ本船でやって来るはずがない。ということは何か他に目的があるということだ。
エースが跳んだ。 軽々とGM号の甲板に降り立つ。 クルー達は動かない。ただエースから少し距離を置いて様子を見ている。 「エース……」 サンジが不安そうな顔でエースの名を呼ぶ。 「久しぶりだな、サンジ」 そう言って笑うエースの顔に、いつもと違った雰囲気を感じ取り、サンジは唇を噛んだ。 エースはクルー達に向き直ると、ニッと笑った。 ゾロがさり気なく刀に手をやりながらエースを睨む。 「……穏やかじゃねーな、本船連れてデートしに来た訳でもあるまい」 「ああ、今日は襲名の挨拶に来た」 「はあ?」 エースが突然深々と頭を下げた。 「私この度エドワ−ドニュ−ゲ−トの跡目を継ぎまして、白ひげ海賊団二代目大頭に就任いたしましたので、本日はそのご挨拶に参りました」 「…あ、こりゃどうもご丁寧に」 つられてクルー達もおじぎを返す。 「……って…何ィィィーーーーーーーーーーーー!!!!!」 初耳である。あのワンピースに最も近い世界最強の男と言われたあの男が死んだとは。 「エース、じゃあお前ひげ生やすのか?」 クルー一同が驚きに声を上げる中、ルフィが一人ずれた発言をする。 「や、俺もちっとそれを考えた。だからサンジに相談しようと思ってな」 そう言うとエースはサンジに向き直った。 「サンジ、俺ヒゲがあるのと無いの、どっちがいい?」 「…んーーー……………無い方がいい…」 「決定、白ひげ海賊団は本日から名前を変更します」 「そんな簡単でいいのかよ!」 「大丈夫だ!名前は変わってもオヤジの意思は俺の中で生きている。それに俺がひげ生やしたら黒ひげ海賊団になっちまうからな、それも胸クソワリィし」 「あー、そりゃーそうだー」 わっはっは、あっはっは、とずれた兄弟二人が声を上げて笑いあう。 「そんでな、サンジ」 「ん?」 再び真顔でサンジを見つめると、エースは真剣な口調で言った。 「お前が名前を決めてくれねーか」 「え、俺?」 「ああ、新しい俺たちの未来のために、お前がウチの海賊団の名前を付けてくれ」 「んーーー…」 口元に緩く握った拳を当て、可愛らしく小首を傾げてサンジはしばし考え込む。 「そうだ!うちが麦わら海賊団なら、エースんとこはテンガロン海賊団でいいんじゃねー?」 にっこりとすこぶるつきの笑顔でもって放たれた一言に、クルーの皆は凍りついた。 (ダッ……ダサッッ!!) 「よおーし、決定!!俺達ゃ今日からテンガロン海賊団だ!!」 エースがサンジの肩を力強く抱き寄せると高らかに吠えた。 (マジかよォォォーーーーーーーーーっっ!!!????) 元白ひげ海賊団、そしてGM号のクルーの一同が心の中で思いきり突っ込んだ。
「俺はワンピースなんてもんには興味がねぇ。だからサンジ、うちに来て本腰入れてオールブルーを捜せ」 「えっ」 「テンガロン海賊団の次の目的地はオールブルーだ!」 「エース!!」 サンジが感動にウルウルと目を潤ませる。そんなサンジの肩を優しく抱いて、エースは甘い声で囁いた。 「うちのクルー達にも話してある。世界一のコックが来てくれるってな」 「エース!サンジは渡さねーぞ!!」 遅まきながらエースの目的に気が付いたルフィが叫んだ。 「お前にはワンピースをくれてやる。だからサンジは頂くぜ」 「ふざけんな!ワンピースは自分で手に入れる!そんでもってサンジはやらねー!」 「俺んとこに来るんだぞ!別にいいじゃねーか!俺の嫁ってことはお前とも永遠に縁続きだ」 (………嫁に行くのか……?) クルー達が見守る中、兄弟喧嘩は延々と続いた。
----------------------------------------------------- ………落ちてない………。 ごめんなさい、白ヒゲを殺してしまいました。
きっとスモーカーに「テンガロン海賊団のポートガス・D・エース!………ププ…(バカにしたような笑いをかみ殺す)大人しくお縄を頂戴しろ!」とか言われちゃうんだね、エース。
そんなことを考えながら前回の会議のノートをめくっていたら、なぜかシュライヤ+サンジの4コマ漫画発見。「ナンジャコリャー」と思っていたら、上司から「んじゃガブ田(仮名)、当日は頼むわ」との声が。 さっぱり話を聞いていなかったガブは、それでも本社のお偉方の手前、ニッコリ微笑んで「はい」とよい子のお返事を。 「それじゃあまあ当日はガブ田(仮名)に泊まり込みで詰めてもらうと言う事で…一件落着!」 って、えーーーっっっ!そうなの!?その日ガブはメリッサさんと「紅葉の露天風呂にゆっくり浸かって持ち込んだDVDでルサンドラム編に浸ろう二泊三日の旅」に出かけてる予定なんですけど!もう予約も入れちゃってるんですけど!!
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