エンターテイメント日誌

2007年03月31日(土) 夢見る女たち

本当は今年アカデミー作品賞を受賞すべきは「ドリームガールズ」だったと今でも筆者は信じて疑わない。アメリカン・ドリームを描き、いかにもハリウッド的なこの映画こそオスカーに相応しい。

「ドリームガールズ」を撮ったビル・コンドンはアカデミー作品賞を受賞した「シカゴ」の脚色を担当し(監督はロブ・マーシャル)、彼が脚本・監督した「愛についてのキンゼイ・レポート」も実に良い映画だったので今回も楽しみにして観た。華やかで極上のエンターテイメントに仕上がっており大満足だったが、少々不満を述べるならロブ・マーシャルと比較するとコンドンの演出は些か単調だったかな。例えば歌っている俳優をカメラが捕らえるとき、必ず周囲を360度旋回するんだよね(ルルーシュの「男と女」みたいに)。そのワン・パターンにちょっと飽いた。だから彼がアカデミー監督賞にノミネートされなかったのは仕方ない。でも作品賞のノミネート落選はいくらなんでも過小評価だろう。筆者の評価はB+。

オスカーを受賞したジェニファー・ハドソンのパワフルな歌唱は圧巻で、主役である筈のビヨンセが霞んで気の毒だった。だからアカデミー賞授賞式のパフォーマンスで「今日はあたしが主役よ」とばかりに髪を振り乱し、必死の形相で歌うビヨンセには笑った。アイドルなんだから何もそこまでムキにならなくてもと想ったが、まあそれ程までに彼女は悔しかったんだろう。


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雅哉 [MAIL] [HOMEPAGE]