エンターテイメント日誌

2006年04月22日(土) 白バラ、暴力、かもめ〜ショート・レビューを一挙放出

「白バラの祈りーゾフィー・ショル、最後の日々」 評価:D
ナチスに処刑された女子大生のお話で実話なのだが、全く主人公に共感できなかった。ヒロインがとった行動は明らかに自殺行為であり、犬死としか思えない。世間にアピールするために自ら死を選ぶのならばもっと効果的な方法がある筈だ。陸上自衛隊市ヶ谷駐屯地で割腹自殺した三島由紀夫や、時の政府の仏教徒に対する弾圧・虐待に対して抗議するために、ベトナムのサイゴン市街十字路上においてガソリンを浴びて焼身自殺をした僧侶のように。若さゆえの愚かしさというべきか、まあはっきり言って馬鹿女につける薬はないってことだな。

ヒストリー・オブ・バイオレンス 評価:C
もっと社会派の高尚な映画かと襟を正して鑑賞したのだが、アクションたっぷりのマッチョマンのお話でずっこけた。デヴィッド・クローネンバーグ監督といえば<ヌルヌル、グチョグチョ>した気色悪い映画を期待…もとい、連想するのだが、実に単純明快であっけらかんとしていた。退屈はしなかったけれど底が浅いので、後には何も残らない。

かもめ食堂 評価:B+
これは出色の邦画である。映画に於けるたおやかな時間の流れが心地好い。登場する食べ物がみな実に美味しそうで、アカデミー賞最優秀外国語映画賞を受賞したデンマーク映画「バベットの晩餐会」を想い出した。そういえば「かもめ食堂」の舞台はフィンランドだし、どちらも北欧という共通点があるのは単なる偶然だろうか?小林聡美、片桐はいり、もたいまさこら女優陣も肩の力を抜いてのびのびと演技しており、いい味出している。 観終わってちょっと幸福な気分に浸れる作品。


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雅哉 [MAIL] [HOMEPAGE]