エンターテイメント日誌

2005年10月05日(水) 大恐慌と映画

映画「シンデレラマン」の評価はBである。

「ミリオンダラー・ベイビー」のレビューで筆者はボクシング映画だと想って観に往ったら安楽死をテーマにした映画だったので騙されたと書いたが、この「シンデレラマン」については予想の範疇に収まるボクシング映画、成功物語だった。そういう意味では「ロッキー」や「どついたるねん」と同類の映画であり新鮮味はない。ただし出来は極上である。特にボクシングの試合の場面での切れ味のある鮮やかな編集が素晴らしい。

ただ、1929年に始まるアメリカの大恐慌を背景に、不景気のどん底に喘ぎ、疲弊した民衆が主人公のボクサーに夢や希望を託すという構図は、ボクサーを馬に置き換えたら「シービスケット」そっくりだなと可笑しかった。

レニー・ゼルウィガーは相変わらず上手いんだけど、レニーに黒髪は似合わないな。レニーは映画「キャバレー」のリメイクで、前回ライザ・ミネリが演じたサリー・ボウルズ役を希望しているそうだが、是非監督は舞台版リバイバルを共同演出したサム・メンデス(「アメリカン・ビューティ」「ロード・トゥ・パーディション」)かロブ・マーシャル(「シカゴ」「SAYURI」)にお願いしたい。狂言回しのMC役は勿論、舞台リバイバル版のパフォーマンスでトニー賞最優秀主演男優賞を獲ったアラン・カミング以外絶対に考えられない!


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雅哉 [MAIL] [HOMEPAGE]