エンターテイメント日誌

2005年08月22日(月) 飛べ、おっさん、飛べ!

直木賞を受賞した金城一紀の「GO」映画版はその年のキネマ旬報ベストワンに選ばれるなど文句なしの傑作であったが、その功績は脚色したクドカンこと宮藤官九郎に負うところが大きい。

同じ金城一紀の本「対話篇」に収録されている短編を映画化した「恋愛小説」も素晴らしい出来映えなのだが、これははっきり言って原作よりも映画の方が良い。やはり脚色の勝利である。どちらも評価はA-である。

さて、金城一紀が映画用の脚色も手がけた「フライ,ダディ,フライ」の評価はCである。余りにも物語が直球一本やりで、ひねり(変化球)がなさ過ぎる。プロット自体は「ロッキー」などスポコンものと大した違いがない。映画「GO」でクドカンは時間を逆回しするテクニックなどを駆使していたが、「フライ,ダディ,フライ」のつまらなさのお陰で、クドカンの巧さを再認識した次第だ。

堤真一と岡田准一がなかなか好演しているだけに、シナリオの不備が惜しまれる。それにしても金城一紀よ、在日コリアンというアイデンティティのみで今後も勝負し続けるのなら、近いうちにネタ切れするんじゃないかい?


 < 過去の日誌  総目次  未来 >


↑エンピツ投票ボタン
押せばコメントの続きが読めます

My追加
雅哉 [MAIL] [HOMEPAGE]