エンターテイメント日誌

2005年07月22日(金) サイトのリニューアル・オープンとショート・レビュー

我がホーム・ページはるか、キネマの改築工事を漸次進めていたのだが、ほぼ完成したのでここにご報告する。

改訂の目玉はジャンル別傑作選で、ここ3年あまり更新を怠っていたのだが、一気に新作を注入した。「シスの復讐」までupdateしている。新作についてはあまりコメントを書き込んでいないが、その辺りはこの、<エンターテイメント日誌>のどこかで詳しく語っている筈なので、興味のある作品については目次で探して欲しい。

また、評価=レイティング方法について見直しを行った。従来は星取り表方式を採用していたが、例えば高級ホテルやレストランを評価するミシュランガイドでは最高評価は三つ星である。しかし、映画の場合は最高評価が五つ星だったり、四つ星だったり、選者によって基準がまちまちである。だから☆の数では読者にいたずらに混乱を招くだけだと考えて、アメリカ式にABCDFの五段階評価に改めた。<エンターテイメント日誌>の方では既にこの方式を採用している。

ミステリー小説について語るコーナーも新設する予定ではあるのだが、こちらの方は今回間に合わなかった。ラインアップとしては古今東西の名作50冊以上を用意してある。まあ、気長に待って欲しい。来年の今頃を目途に完成を目指す。

---------- ショート・レビュー -----------------------------

「エレニの旅」評価:B-

ギリシャのテオ・アンゲロプロス監督が構想2年、撮影2年を費やして完成させた壮大な叙事詩。映像は確かに素晴らしい。棺を筏に載せた葬列の場面とか、水没する村とか強烈な印象を刻印する場面は多い。しかし、皮相的な物語がその深い映像表現に追い付いていない印象を受けた。主人公の旅を通じて20世紀ギリシャ近代史を俯瞰しようとする手法は同じアンゲロプロス監督の「旅芸人の記録」の焼き直し・自己模倣に過ぎない。ギリシャ悲劇をなぞるという方法論も同じ。しかし、その重く悲惨な運命を、か細いヒロインの肩に全て背負わせるのはあまりにも可哀想で正視に耐えなかった。特にヒロインの絶望に打ちひしがれた絶叫で映画が幕を閉じるというのは、後味が極めて悪いし詩的じゃないと想う。今回は政治的メッセージが強すぎて理に落ちた。


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雅哉 [MAIL] [HOMEPAGE]