エンターテイメント日誌

2005年05月06日(金) 生きるも地獄、死ぬも地獄。<終極無限>

フィルム・ノワール「無間道(インファナル・アフェア)」は香港映画の金字塔である。いわばハリウッド映画における「風と共に去りぬ」や日本映画における「七人の侍」の位置に、凛としてある。

「無間道」の続編「無間序曲」も見応えのある傑作だった。過去に遡り、まるで「ゴッドファーザー PART II」を彷彿とさせるような展開で圧倒的存在感を示し、確固たる位置を占めた。

さてそこで期待の「インファナル・アフェアIII 終極無限」であるが、これは残念ながら不完全燃焼に終わってしまった。筆者の評価はC-である。

「無間道」で生き残ったアンディ・ラウのその後が描かれるわけだが、彼の前途には生き地獄しか残されていないことは「無間道」を観たものには端から自明のことである。それをそのまま絵で見せられることの虚しさ。新キャラクターが何人か登場するが、結論が<みんな、トニー・レオンみたいな優秀な警察官になりたかった>じゃ、結局「無間道」とテーマが全く同じじゃないか。ケリー・チャンとトニー・レオンが親しくなる課程を事細かにギャグを交えて描かれても、蛇足感が漂う。そんな内容は誰も求めてはない筈だ。ラストもくどいんだよね。

つまるところ、三作目を製作する意義が全くなかったという点で「ゴッドファーザー」シリーズと同じ運命を辿ったわけだ。「ゴッドファーザー」同様に三作目の存在は記憶から抹消することとしよう。

さあ、マーティン・スコセッシ監督、レオナルド・ディカプリオとマット・デイモン主演による「無間道」のハリウッド・リメイク版"The Departed"(現在ボストンで撮影中)はどんな形で仕上がるのだろうか?スコセッシだから続編はないと想うけど・・・


 < 過去の日誌  総目次  未来 >


↑エンピツ投票ボタン
押せばコメントの続きが読めます

My追加
雅哉 [MAIL] [HOMEPAGE]