エンターテイメント日誌

2005年04月30日(土) 成熟する韓流映画<大統領の理髪師>

「大統領の理髪師」は東京国際映画祭で最優秀監督賞と観客賞を受賞した韓国映画だ。

韓流の勢いは凄まじく、昨年公開された映画の筆者の選ぶベスト選でも「殺人の追憶」「オールド・ボーイ」がワン・ツー・フィニッシュを果たした。未曾有の充実ぶりである。テレビ・ドラマでも例えば現在BS-2で放送中の「チャングムの誓い」なんか、面白すぎて毎週眼がブラウン管に釘付けである。嗚呼、ハンサングンさま死んじまった!…それはまた、別の話。

さて、「大統領の理髪師」だが、筆者の評価はB+。市井の庶民生活を描きながら、そこに激動の韓国近代史を絡めた作劇の巧みさ。そういう意味では「フォレスト・ガンプ」に近い雰囲気を醸し出していた。軍事政権下の暗い時代を描きながら、ユーモアを絶やさない作者の姿勢に好感を覚えたし、そこに韓国映画の深化を見た。

名優ソン・ガンホが、飄々とした床屋の主人を演じ、いい味を出していた。

「殺人の追憶」「オールド・ボーイ」が持つような凄み、圧倒的劇的興奮はこの映画にないが、淡々として心に染み入る味わい深い作品である。必見。


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雅哉 [MAIL] [HOMEPAGE]