エンターテイメント日誌

2004年08月21日(土) 前作を遙かに凌駕した<スパーダーマン2>

映画の続編が一作目を凌駕したり、あるいは対等に張り合える仕上がりになる前例は極めて少ない。僅かに「ゴッドファーザーPart2 」と「スターウォーズ/エピソード5 帝国の逆襲」を想い出すくらいである。ちなみに「ロード・オブ・ザ・リング」はこの範疇に含めない。何故なら原作は一つの長大な物語であり、映画化に際して上映の便宜上3つのパートに分けたに過ぎないからである。

筆者の「スパーダーマン」第一作の評価は極めて低い。せいぜいDである。展開が弛緩しているし、悪役にも面白みがない。特撮もなんだか安っぽい感を免れない。しかし、「スパーダーマン2」の出来の良さには舌を巻いた。サム・ライミ監督はここまで溜めていたエネルギーを一気に放出した感がある。「死霊のはらわた」「ダークマン」の頃のパワフルなライミが今、鮮やかに甦った!悪役のDr.オクトパスも実に魅力的。対決シーンの迫力には手に汗握る。相変わらずオバサン顔のヒロインの魅力は皆無だが、その欠点を補って余りある長所をこの映画は持っている。評価はB+だ。

ダニー・エルフマンの音楽もご機嫌で爽快。ただしテストスクリーニングの結果、相当の規模で再編集が決定し音楽の修正が必要になったが、エルフマンはすでに別の映画に着手していて手が空いていなかった。そのため、ジョン・デブニーとクリストファー・ヤング、スティーヴ・バーテクが新たに曲を提供することになり、全体としての統一感が損なわれたのは実に残念であった。

それにしても救い難いほど容姿の色褪せたキルスティン・ダンストだが、そろそろ第3作目でお役御免にして貰いたい。007やインディー・ジョーンズ・シリーズみたいにヒロインは毎回交代で良いではないか。


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雅哉 [MAIL] [HOMEPAGE]