エンターテイメント日誌

2004年03月11日(木) ストリーミング配信と花とアリス

3/13より全国公開される岩井俊二監督の「花とアリス」は以前、キットカットのサイトでショートフィルムシリーズとして配信された。それが評判を呼び、ついには劇場版として追加撮影され公開されるに至ったのである。ショートフィルム版は残念ながら現在は観ることが出来ないが、僕は幸いにも配信中に観る機会を得た。まあ、ソフトクリームみたいな作品で、良い意味でも悪い意味でも岩井の少女趣味的嗜好が前面に出たぬるい仕上がりだが、少なくとも最近の「スワロウテイル」や「リリイ・シュシュのすべて(なにが14歳のリアルだ?ふざけるな!)」みたいにボタンを掛け違え、産業廃棄物以下の価値しかない醜悪な岩井作品よりは遙かに好感が持てる。作曲も岩井自身が担当しているが、これがなかなか良い。

それにしてもTBSの「青い鳥」に出演していた頃の鈴木杏ちゃんは可愛かったのになぁ。ごっつくなっちゃって…。

ストリーミング配信されている作品として、今回もうひとつ紹介したいのが「手を握る泥棒の物語」である。こちらは現在視聴可能。この原作短編を収めた乙一の「失はれる物語」という本は傑作揃いである。監督は犬童一心で、このひとは「黄泉がえり」の脚色を担当し、昨年メガフォンをとった「ジョゼと虎と魚たち」はキネマ旬報のベストテンに入選している。物語は特に後半、原作とはかなり異なる展開をするが、まずまずの出来であろう(断然、原作の方が面白いが)。まあ期間限定なので今のうちにご覧になられておくことをお勧めする。無料だしね。


 < 過去の日誌  総目次  未来 >


↑エンピツ投票ボタン
押せばコメントの続きが読めます

My追加
雅哉 [MAIL] [HOMEPAGE]