エンターテイメント日誌

2004年03月02日(火) 検証。アカデミー賞2004

前回の日誌の受賞予想と併せてご覧下さい。

今年のアカデミー賞予想で筆者の本命が的中したのは作品賞・監督賞・主演女優賞・助演女優賞・助演男優賞・外国語映画賞・脚本賞・主題歌賞・美術賞・編集賞・視覚効果賞・音響編集賞・メイクアップ賞・衣装デザイン賞・長編アニメーション賞・短編ドキュメンタリー賞の計16部門である。昨年の的中が15部門だからまずまずといったところか。対抗馬を併せると20部門になる。しかし、「王の帰還」の一人勝ちだろうとは書いたが11部門という大量受賞は予想外だった。凄い。「ベン・ハー」「タイタニック」に並ぶ史上最多タイ記録である。ちなみに「王の帰還」の興行成績はつい先日、「タイタニック」に次ぐ史上2位に踊り出たそうだ。

主演男優賞の予想は敢えてショーン・ペンを外すという大博打に出たが、これは見事に裏目に出た(笑)。しかし、やはり彼は「大量破壊兵器なんか存在しなかったのと同様に…」とブッシュのイラク派兵批判をすることは忘れなかった。ただし政治的メッセージは意外と控えめで、大人のスピーチになっていたのには感心した。助演男優賞を受賞したティム・ロビンスも「暴力の連鎖を止めなければならない」といった旨の発言をした。昨年のマイケル・ムーアの「ブッシュよ、恥を知れ!」というスピーチには会場から大ブーイングが巻き起こり騒然としたが、今年はむしろそういった政府に批判的なスピーチにも会場が好意的に受け止めていて、アメリカの世論の変化を如実に伺わせるものとなった。

しかし、今年の授賞式のスピーチはおしなべて「誰々に感謝する」を羅列するといった類の詰まらないものが多くて残念だった。逆に嬉しかったのはビリー・クリスタルの司会復帰で、オープニングの候補作のパロディ・フィルムも愉しいし、彼があたかもミュージカルのように唄うと会場が俄然盛り上がる。名誉賞を受賞したブレイク・エドワーズの体を張ったギャグもさすが「グレートレース」や「ピンク・パンサー」シリーズの監督らしくて笑えた。客席で夫の晴れ舞台を見守るジュリー・アンドリュースがとても嬉しそうで誇らしげで、見ているこちらにも清々しい一陣の風が吹き抜けるような想いがした。

昨年は対イラク侵略戦争が開始されたばかりで、華やかなムードは自粛され、服装も皆地味だったが、今年はレッド・カーペットも復活してオスカー・ナイトらしくなった。特にレニー・ゼルウィガーの衣装が綺麗だった。今年も彼女が獲れなかったらどうしようと、見ていてハラハラしたが、良かったね!レニー。もう想わずもらい泣き。今日の彼女は最高に輝いていた。


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雅哉 [MAIL] [HOMEPAGE]