エンターテイメント日誌

2003年10月11日(土) コリン・ファレルはいい人。<S.W.A.T.>

アイルランドのダブリン出身の俳優コリン・ファレルはジョエル・シューマッカー監督の「タイガーランド」で一躍トップ・スターに躍り出た。「タイガーランド」は余り世間に知られていないが、地味ながらも見応えのある戦争映画の傑作である。シューマッカーは北欧の「ドグマ95」の手法に影響を受けドキュメンタリータッチのざらついた映像で「タイガーランド」を撮ったが、これが作品世界に見事にはまった。また、青春映画の伝説的名作「セント・エルモス・ファイアー」でも分かる通り、彼は新人の発掘に長けている。「タイガーランド」でもコリン・ファレルの男臭い魅力を存分にひき出し、その後のファレルは「マイノリティ・レポート」「デアデビル」そして「S.W.A.T.」に出演するなど破竹の勢いである。ファレルも「今日の自分があるのは全てジョエルのおかげ」と公言しており、このふたりが再びタッグを組んだ「フォーン・ブース」も11月に日本公開を控えていて非常に愉しみである。

余談だがジョエル・シューマッカーは現在ロイド=ウェバーの大ヒットミュージカル「オペラ座の怪人」映画版をロンドンで撮影中で、やはり若手の俳優にこだわってキャスティングしている。タイトルロールを演じるのは「トゥーム・レーダー2」でアンジェリーナ・ジョリーのお相手をしたジェラルド・バトラー、33歳。怪人が恋する歌姫・クリスティーヌ役のエミィ・ロッサムは現在17歳(彼女が出演した映画「歌追い人」は今秋、日本で公開される)。舞台「キャバレー」(なんと「ロード・トゥー・パーディション」のサム・メンデスと「シカゴ」のロブ・マーシャルの共同演出!)でトニー賞主演男優賞を受賞したアラン・カミングも出る。彼らをシューマッカーがどのように料理するのか、目が離せない。閑話休題。

さて、話しをファレルに戻そう。先日、アメリカの雑誌「オートグラフ・コレクター」がサインをねだるファンへのハリウッド・スターの応対に関する好感度調査を発表、最もファンに優しいとお墨付きを貰ったのはなんとコリン・ファレルだった。あんな男臭い顔していても、案外いい人なんだ(逆に最悪の烙印を押されたのがキャメロン・ディアス)。また彼は日本の雑誌「キネマ旬報」のインタビューに答えて、「日本映画に出るのもO.K.だよ。日本では車は左側通行で右ハンドルだろ?アイルランドと同じだからカー・チェイスだって簡単さ。」なんてリップ・サービスをしている。ほんと好青年だなぁと惚れちまったゼ(笑)。

そんなファレルが主演した<S.W.A.T.>はアクション映画としてそこそこの出来だった。まあ観て損はない。それ以上でも以下でもない作品。ただ、クライマックスが主人公と敵との素手の殴り合いというのは如何なものか。だってS.W.A.T.でしょ?派手な銃撃戦をやってこそなんぼ、でしょ?それに鉄道線路脇の殴り合いだから結果はミエミエだし。尻すぼみで肩透かしを喰らった印象。がっかり。


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雅哉 [MAIL] [HOMEPAGE]